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今日は何の日?■新型エンジンとフルタイム4WDへと進化した3代目レオーネ
1984(昭和59)年7月16日、スバル「レオーネ」は2度目のモデルチェンジで3代目に移行した。新開発の水平対向エンジンが搭載され、空力に優れたシャープなスタイリングが特徴で、まずセダンがデビュー、同年10月にツーリングワゴンとエステートバンが追加され、パートタイムからフルタイム4WDへと進化した。

世界初の量産4WD乗用車を投入した初代レオーネ

スバルのコア技術のひとつ水平対向エンジンを初めて搭載したのは、1966年に登場した「スバル1000」だが、このときの駆動方式はFFだった。


スバル1000の後継として登場したのが、1971年にデビューした「レオーネクーペ」だった。流麗なロングノーズとカットインのリアコンビランプが特徴で、その翌1972年には国産初のフルオープン・サッシュレスドアを採用した4ドアセダンと2ドアセダンが投入された。

そして、同年には世界初の量産4WD車である「エステートバン」が追加。さらに1975年にマイナーチェンジで、世界初となる量産4WD乗用車「レオーネ4WDセダン」が誕生した。
ここに、今もスバルブランドのコア技術である“水平対向エンジン+4WD(シンメトリカルAWD)”の原型が出来上がった。レオーネは、比較的地味だったスバルのイメージを一新、スバルの主力モデルへと成長した。

ひと回り大きく上級化した2代目レオーネ
1979年5月に登場した2代目「レオーネ」は、4ドアセダンがまず発売され、1ヶ月遅れで2ドアハードトップ、そしてハッチバックボディのスイングバックもラインナップに加わった。また1982年には後にヒットモデルとなるステーションワゴンの原型となる「ツーリングワゴン」も追加された。

角2灯のオーソドックスな3ボックス型4ドアセダンとサッシュレスのハードップが設定され、初代よりもひと回り大きくなって上級化し、特に前後輪のトレッドは65~85mm拡大されて高速走行の安定化に貢献した。
ボディの拡大に伴い、エンジンも1.4Lから最高出力87ps/最大トルク12.3kgmを発揮する1.6Lと100ps/15.0kgmの1.8L水平対向OHVエンジンに代わった。トランスミッションは、4速/5速MTと3速ATが組み合わされ、エンジン縦置きのFFがベースで、4WDも積極的に展開された。
その後2代目レオーネは、マイナーチェンジでヘッドライトが角2灯から4灯に変更され、1983年のマイナーチェンジではスバル初のターボモデルと、ツインキャブエンジンのレース用ベース車「RX」がデビューした。
エンジンと4WDシステムが進化した3代目レオーネ

1984年7月のこの日、2度目のモデルチェンジで3代目に移行したレオーネ。当初は、セダンのみの設定だったが、5ドアのツーリングワゴンとエステートバンが追加された。一方で、2ドアハードトップとスイングバックは廃止された。


ボディはさらに大きくなり、2代目よりさらにシャープな直線基調の空力Cd:0.35を実現するスタイリングとなった。パワートレインは、先代と同じ最高出力69psを発揮する1.6L水平対向OHVと、SOHC化された85psの新開発1.8L水平対向SOHC、それにターボを搭載した最高出力135ps/最大トルク20.0kgmの3種エンジンと、4速/5速MTおよび3速ATの組み合わせ。

1985年に3ドアクーペがラインナップに加えられ、1986年には3ドアクーペにスバル初のセンターデフ式フルタイム4WDを採用した1.8Lターボモデル「RX-II」が追加、その走りの実力は1986年の全日本ラリー選手権で優勝して証明された。直後にセダンとツーリングワゴンにもフルタイム4WDが設定された。

さらに、セダンとツーリングワゴンの「GT-II」のAT車には、電子制御トルク配分式フルタイム4WD「ACT-4」、MT車にはデフロック機構を備えたセンターデフ式4WDが採用された。これにより、従来のパートタイム4WDが廃止されて、スバルの看板であるフルタイム4WDシステムが熟成された。


レオーネは1994年に生産を終えたが、レオーネでブラッシュアップされた技術は1989年の「レガシィ」と1992年の「インプレッサ」に引き継がれた。さらに、190psにチューンナップされたラリー仕様は、1986年と1987年のサファリ・ラリーでグループA優勝を飾り、その後のスバルのラリーでの活躍の礎にもなっているのだ。
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3代目レオーネは、水平対向エンジンのSOHC化やフルタイム4WD化、ターボの熟成など、まさにスバルのコア技術“シンメトリカルAWD“の原型を作り上げるという重要な役割を果たした。
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