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今日は何の日?■N-ONEにローダウンモデルとモデューロXを追加

2015(平成27)年7月17日、ホンダは軽自動車のセダン「N-ONE」に2種類の特別仕様車を追加した。1つ目は、スポーティな低全高タイプの「G・LOWDOWN(ローダウン)」と「Premium Tourer・LOWDOWN」、2つ目はスポーティなコンプリートカー「モデューロX」である。

人気のN-BOXに続いたN-ONE


1967年にデビューして大ヒットした軽自動車の名車「N360(Nコロ)」の流れを汲んで、2011年にスーパーハイトワゴン「N-BOX」が発売された。N-BOXは、画期的なパッケージングによる圧倒的な室内空間と軽快な走りで大ヒット。そして、「Nワゴン」に続いたNシリーズ第3弾として2012年にデビューしたのが、N-BOXよりも全高が約250mm低いセダン系の「N-ONE」である。

N-ONEは、愛らしい丸型ヘッドランプとフロントマスク、リアランプでN360のデザインイメージを表現。ただし、レトロな雰囲気でなく、プレーンな面構成などでキュートな今風デザインとなっていた。
ボディは、5ドアハッチバックでユーザーの好みに合うように多彩なボディカーラーをラインナップしていたのも特徴。インテリアもワイド感を強調する横基調のデザインで、上質感が演出された。シートは小型車と同等の大型サイズで、前後ともベンチシートで広々した空間が実現された。
パワートレインは、660cc直3 DOHCの最高出力58ps(NA)、68ps(ターボ)の2種エンジンとCVTの組み合わせ。駆動方式は、FFと4WDが選べた。ターボ仕様は、十分なトルクにより小型車にも負けない走りが可能で高速でも快適なドライブが楽しめた。
スポーティなローダウン仕様を追加

今回のマイナーチェンジでは、スポーティな低全高タイプの新グレード「G・LOWDOWN(ローダウン)」と「Premium Tourer・LOWDOWN」が設定された。ルーフやスポイラーのデザインを変更し、ローダウンサスペンションの採用によって全高を65mm下げて1545mmとなった。


内外装の変更も行なっており、フロントグリルやフロントバンパーに上質でワイド感を強調するメッキモールを追加。「N-ONE Premium」の3グレードには、サイドビューを引き締めるドアサッシュモールや上質な肌触りのプライムスムース(合成皮革)とジャージのコンビシートを採用。また、外装色にブリリアントスポーティブルー・メタリック、ブリティッシュグリーン・パール、プレミアムピンク・パールの新色3色を追加し、カラーバリエーションは2トーンカラースタイルを含む全28種類が用意された。


ローダウン仕様のエンジンは、標準的なG・LOWDOWNがNAエンジン、Premium Tourer・LOWDOWNがターボエンジンで、駆動方式はFFのみ。車両価格は、G・LOWDOWNが141.8万円(ベース仕様は129.8万円)、Premium Tourer・LOWDOWNが169.8万円(ベース仕様159.8万円)と、標準仕様より10万円程度高額に設定された。
コンプリートカーのModulo X追加

さらに、スポーティなコンプリートカー「モデューロX」も追加された。モデューロXは、子会社「ホンダアクセス」が手掛けるコンプリートカーである。ホンダアクセスは、ベース車両の走行性能、居住性、デザインに匠の技を注いで完成させることを主にしたコンプリートカーブランドである。

モデューロXの第1弾は、2013年1月に発売された「N-BOX・Modulo X」で、第2弾が今回の「N-ONE・Modulo X」だ。
ターボエンジン搭載車(FF)をベースに、専用のエアロバンパーやフロントグリル、サイドシルガーニッシュ、マフラーなどでエクステリアをドレスアップ。また高剛性のバンパービームや専用のサスペンション、ブレーキパッド、アルミホイールなどを採用し、CVTのSレンジや電動パワーステアリングに専用セッティングを施すことで、上質で軽快な走りが実現された。
FFでターボエンジンを搭載したN-ONE・モデューロXの車両価格は189.8万円に設定、Premium Tourer・LOWDOWNよりもさらに20万円高額だった。
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N-ONEは、往年の名車N360をモチーフにしながらも、全体のイメージは現代風にアレンジした軽セダンである。さらにローダウン仕様やモデューロXの追加によって、実用性重視の軽自動車の中でその個性はさらに輝きを増した。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
