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今日は何の日?

■スカイラインGT-RのN1レース用ベース車

1991(平成3)年7月19日、日産自動車は1989年にデビューしたR32スカイラインGT-RのN1耐久ラウンドシリーズ参戦用のベース車を発売した。N1は、改造範囲の狭い市販車ベースのカテゴリーで、エンジン冷却系、ブレーキ耐久性を向上させ、軽量化のために装備の一部を簡略化している。

日産BNR32「スカイラインGT-R N1」
日産BNR32「スカイラインGT-R N1」

ダウンサイジングした8代目R32スカイライン

8代目(R32型)「スカイライン」4WD
1989年にデビューした8代目(R32型)「スカイライン」4WD

1989年5月、スカイラインはモデルチェンジによって8代目となるR32型スカイラインに生まれ変わった。1957年に誕生したスカイラインだが、3代目「ハコスカ」、4代目「ケンメリ」と爆発的な人気を獲得し、その後もモデルチェンジを続けて、憧れのスポーツセダンとして人気を誇っていた。

7代目(R31型)「スカイライン(4ドアハードトップ)」
1985年にデビューした7代目(R31型)「スカイライン(4ドアハードトップ)」

1985年にデビューした先代(7代目)R31型スカイラインは、バブル時代のハイソカーブームの影響を受けてスポーティ路線からラグジュアリー路線へ変更したが、市場の反応はあまり良くなかった。そこで登場したR32型スカイラインは、先代をスリム化し洗練されたスタイリングで走りを重視したスポーツセダンに回帰した。

4ドアセダンと2ドアクーペのやや丸みを帯びたフォルムで、先代に対して全長と全高を縮小。パワートレインは、最高出力91psを発揮する1.8L直4 SOHC、125psの2.0L直6 SOHC、155psの同DOHC、215ps/27.0kgmの同DOHC IC(インタークーラー)ターボエンジン(RB20DET型)の4種エンジンと、5速MTおよび4ATの組み合わせ、駆動方式はFR。ボディのスリム化・軽量化に加えて、サスペンションを4輪マルチリンクに変更することによって、8代目は一段と優れた走りを実現し、人気復活を果たした。

スカイライン 2000GTS-R
スカイライン 2000GTS-R/R31型は1987年のマイナーチェンジを機に、当時のグループAレースのホモロゲーションモデルとして、クーペGTS-Rを800台限定で発売。2000cc 直6 DOHCターボエンジンは、タービンを変更するなどのチューニングが施され、210psの最高出力を発揮

レースに勝つことが使命のGT-R復活

1989年にデビューしたR32型「スカイラインGT-R」4WD
1989年にデビューしたR32型「スカイラインGT-R」4WD

さらに同年8月には、16年ぶりに高性能「スカイラインGT-R(BNR32型)」が復活した。GT-Rの開発テーマは、“レースに勝てる、そして2、3年先まで勝ち続ける圧倒的な速さを持つクルマ”だった。

R32型「スカイラインGT-R」搭載の2.6L(RB26DETT型)エンジン
1989年にデビューしたR32型「スカイラインGT-R」搭載の2.6L(RB26DETT型)エンジン

グループAで勝つためには、最高出力が600ps以上必要という試算のもと、そのチューンナップに対応できる高性能エンジンと、強力なパワーをフルに路面に伝えられる4WDシステムの開発が必要だった。

そのような開発目標で作られたGT-Rは、最高出力280ps/最大トルク36.0kgmを発揮する2.6L直6 DOHCツインセラミックターボ(RB26DETT型)を搭載。4WDシステムについては、後輪駆動をベースに走行条件に応じて前輪にトルクを配分する湿式多板クラッチを用いた電子制御トルクスプリット4WD”アテーサE-TS”が採用された。

歴代スカイラインGT-R
歴代スカイラインGT-R

さらにスーパーHICAS(4WS)も装備されたGT-Rは、大型のエアインテークを組み込んだフロントマスクに前後プリスターフェンダーとリアスポイラー、16インチ鍛造アルミホイール、専用バケットシートを組み込み、“最強最速の市販車”に仕上がったのだ。

車両価格は、445万円に設定。当時の大卒初任給は、17.5万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約585万円に相当する。

N1レース用に仕立てられたGT-R

レースに勝つことを運命づけられたR32GT-RのN1レース参戦用のベース車は、1991年7月のこの日に発売を始めた。

日産BNR32「スカイラインGT-R N1」
1991年にデビューしたR32型「スカイラインGT-R」N1レース用ベース車
R32型「スカイラインGT-R」N1レース用ベース車
1989年にデビューしたR32型「スカイラインGT-R」N1レース用ベース車のリアビュー

N1レースは、JAFから量産ツーリングカーとして公認された車両およびJAF登録された車両によるレース。量産ツーリングカーとして連続した12ヶ月間に5000台以上生産された市販車のみJAFの公認が得られる。改造の許される範囲が最小限に抑えられており、市販車に最も近い状態で競うレースと言える。

エンジンは、GT-Rと同じ最高出力280ps/最大トルク36.0kgmを発揮する2.6L直6 DOHCツインセラミックターボ(RB26DETT型)を搭載。組み合わせるトランスミッションは5速MTで、アテーサET-Sの4WDシステムを搭載。ボディカラーはクリスタルホワイトのみである。

BNR32 N1耐久レース
BNR32 N1耐久レース

・軽量化のために外された仕様
エアコン&オーディオ、ABS、リアワイパーを廃止、ヘッドライトをプロジェクター式から異形2灯式へ変更

・エンジン冷却性能向上
フロントバンパーにエアインテーク2個とフードトップモールを追加、インタークーラーグリル(金網)の廃止

・ブレーキ耐久性能向上
ブレーキ冷却用導風板を追加、ブレーキローターのピンホールを廃止

BNR32 N1耐久レース アルティア・スカイライン
BNR32 N1耐久レース アルティア・スカイライン

その後N1仕様のスカイラインは、VスペックN1、VスペックII N1へと進化した。

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R32GT-RのグループAでのJTC(全日本ツーリングカー選手権)破竹の連勝は有名だが、N1耐久シリーズでも活躍した。当初は苦しんたが、改良を加えて進化することでグループA同様、N1でも負けなしの大活躍をしたのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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