あらゆる路面に対応、氷上ブレーキ性能が約11%も向上
2025年7月15日、ブリヂストンは乗用車用スタッドレスタイヤの新製品「BLIZZAK WZ-1(ブリザック ダブルゼットワン)」を正式発表した。発表会場では冬タイヤ市場を牽引してきたBLIZZAKブランドの最新進化に注目が集まった。


「BLIZZAK WZ-1」は、同社の次世代タイヤ設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」を市販用乗用車スタッドレスタイヤとして初めて採用。従来モデル「VRX3」と比較して、氷上ブレーキ性能で約11%、氷上旋回性能で約4%の性能向上を達成するなど、“止まる・曲がる”という冬タイヤに不可欠な基本性能が大きく進化している。



なかでも特徴的なのが、路面状態やドライバーの操作に応じて発揮される“ICEコントロール性能”だ。「氷の上でも車両の挙動を安定させ、思い通りに操作できる」そんなタイヤの理想像に、WZ-1は限りなく近づいたといえる。
この進化を支えるのが、「Wコンタクト発泡ゴム」と「L字タンクサイプ+マルチエッジグルーブ」という2つの新技術だ。前者は従来の吸水機能に加え、親水性ポリマーを配合することで、氷上の微細な水膜を取り除くだけでなく、残った水も積極的に捉えてグリップに変える。後者はブロック全体の構造に多方向エッジを設けることで、加減速・旋回・横滑りといった複雑な挙動変化にも対応し、氷上でも安定した接地を実現する。


さらに、「WZ Motionライン」と呼ばれる構造設計も見逃せない。これは高級コンフォートタイヤ「REGNO GR-XIII」にも採用された技術を応用したもので、雪道・シャーベット・ウェット・ドライといった様々な路面状況下でも均一な接地性を確保。これにより、氷雪路での安心感はもちろん、無雪環境での静粛性や乗り心地も高いレベルで両立している。

安定感と応答性に優れている、ドライ路面の静粛性も良い

この新たなブリザックに対し、元F1ドライバーでインディ500ウィナーの佐藤琢磨氏は、氷上でのコントロール性能についてこう語った。
「WZ-1は、タイヤがしっかりと路面を捉えてくれる安心感がある。氷上での運転は誰でも緊張するが、ハンドリング応答性が良くて、グリップが感じられるとドライバーの操作に迷いがなくなり、安全に直結する。市販車の世界でも“信頼できるタイヤ”は運転の質を大きく変える」と絶賛した。

また、北海道出身で2児の母であり、日常的にクルマを使用しているタレントの藤本美貴。彼女は生活者目線でスタッドレスタイヤに求めるものを次のように述べた。
「雪道の運転って本当に怖い。でも、子どもと出かけなきゃいけない場面はあるし、ちゃんと止まるタイヤがあると気持ちに余裕が出る。燃費がよくて長持ちするのもうれしい。安全だけじゃなくて、家計にも優しいってすごく大事ですね」

WZ-1は氷雪性能だけでなく、環境性能や経済性の向上にも配慮されている。転がり抵抗は従来比で低減され、燃費性能の向上に寄与。さらに、新開発の「ロングステイブルポリマー」により、ゴムの柔軟性を長期間保持し、4年使用後でも新品性能を上回るグリップを確保する設計となっている。

ラインアップは14〜20インチの全119サイズで、価格帯は13,000円〜14万円台(税込)と幅広く設定されており、軽自動車からミニバン、SUVまで幅広く対応する。発売は2025年9月1日から全国の販売店で順次開始される予定だ。
都市部の突発的な降雪や郊外での通勤・送迎、あるいは本格的な豪雪地での使用まで。BLIZZAK WZ-1は、あらゆる冬のシーンにおいて、プレミアムな安心と確かな走行性能を提供する次世代スタッドレスタイヤとして、確かな存在感を放っている。
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