PEUGEOT 3008

新開発のプラットフォームを採用

SUVとはいえクーペ的なフォルムで、全高もそれほど高くはない。
SUVとはいえクーペ的なフォルムで、全高もそれほど高くはない。

ミドルクラスの実用的SUVとして日本でも人気の3008。デビュー以来、累計132万台を販売したというこのモデルの新型が日本に上陸した。新開発のSTLA-Mediumと呼ばれるC&Dセグメント用プラットフォームを採用しているのが最大のポイントで、BEV用ではあるが、ICEを搭載したハイブリッドなど、マルチなパワートレインに対応するのだという。BEVの先行きがまだ不透明な中、これは懸命な選択だと言えるだろう。日本にはまず1.2リッターの3気筒エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドが導入され、年内にはBEVも登場予定だという。

ハイブリッドは6速のDCTに48Vシステムによる22‌PS/51‌Nmのモーターを組み合わせたもので、プラグインハイブリッドと区別するためか、ステランティスはマイルドハイブリッドと呼ぶ。しかし低速域ではモーターによる走行も行うそうだから、普通にハイブリッドと呼んで差し支えないだろう。

未来感が漂うデザイン

ステアリングの上から見るモニターは何と21インチ。変形ステアリングの操作性は悪くないが、グリップはかなり太い。
ステアリングの上から見るモニターは何と21インチ。変形ステアリングの操作性は悪くないが、グリップはかなり太い。

エクステリアはいかにもプジョーらしいというか、フランス車っぽい雰囲気が全開だ。大きな塊から彫刻刀で削ぎ落としたようなエッジの効いたディテールや、ライオンの爪をイメージしたというデイタイムランニングライトなど、ドイツブランドとは異なる個性が光る。インテリアも同様で、もはや伝統となったiコクピットや直線的なラインで構成されたセンターコンソールなどは、未来感が漂う。

走り出すと、印象的なのはフロア周りの剛性の高さ。さすがBEV用に設計されただけあり実に堅牢なボディ、それによってプジョーならではのしなやかな足まわりがさらに引き立っている。柔らかなのにしっかりどっしり、全体に「いいモノ感」が漂うのが素晴らしい。

戦略的な価格も魅力

1.2リッター3気筒エンジンは136PS/230Nm。22PSの駆動用モーターは発電も行う。
1.2リッター3気筒エンジンは136PS/230Nm。22PSの駆動用モーターは発電も行う。

パワートレインは十分にトルキーで扱いやすいが、猛暑の日だったせいかエンジンが停止したのはごく短時間だった。それでも燃費計は街中メインでも10km/L台半ばを示していたので、これが日本の環境での最低ラインだと考えていいだろう。

489万円スタートという価格設定も非常に魅力的で、日本車からの乗り換え層も期待できそうだ。

REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)
MAGAZINE/GENROQ 2025年9月号

 

SPECIFICATIONS

プジョー3008 GTハイブリッド

ボディサイズ:全長4565 全幅1895 全高1665mm
ホイールベース:2730mm
車両重量:1620kg
エンジン:直列3気筒DOHC
総排気量:1199cc
最高出力:100kW(136PS)/5500rpm
最大トルク:230Nm(22.4kgm)/1750rpm
モーター最高出力:16kW(22PS)/4264rpm
モーター最大トルク:51Nm(5.2kgm)/750-2499rpm
トランスミッション:6速DCT
駆動方式:FWD
サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後トーションビーム
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ディスク
タイヤサイズ:前後225/55R19
燃料消費率:19.4km/L(WLTC)
車両本体価格:540万円

 

【問い合わせ】
プジョーコール
TEL 0120-840-240
https://www.peugeot.co.jp

 

 

プジョーを象徴する3本爪のライトシグネチャーはそのままに、プジョーの新エンブレムを中心に配置し、ヘッドライトとグリルの造形を従来モデルから大幅に刷新した。

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ステランティス ジャパンが8年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型「プジョー 3008」を日本初披露した。最新プラットフォーム「STLA-Medium」を初採用し、HEVとBEVの2種類のパワートレインを設定。次世代i-Cockpitや先進のデザインが魅力のCセグメントSUVだ。