室内空間はほぼ互角！使い勝手の良さが光る新型パサート
セダンが廃止されヴァリアントに一本化された新型パサートはクラウンエステートと同等にまで大型化した。それにともない室内空間もクラウンエステートと同等の広さにまで拡大されており、両車ともにショーファーカーとして使えそうなほどの後席空間となっている。
5名乗車時の荷室容量はクラウンエステートの540リットルに対してパサートは510リットルだが、2名乗車時の荷室空間は1470リットルと1770リットルでパサートの方が広い。
さらにパサートの荷室には、電動テールゲートの開閉と連動するトノカバーや、仕切りや収納などに活用できる着脱式のアルミバーに加え、6:4分割可倒式のシート中央にはトランクスルーまで備わる。クラウンエステートと同じく荷室にはAC100Vコンセントも装備されており、パサートは日本車と遜色なく使えそうだ。
一方のクラウンエステートも後席背面に備わったボードを展開することで後席空間全体を床面として使用できるギミックが備わっており、用途によってはパサート以上の使い勝手を備えている。
トヨタ クラウンエステート RS
ボディサイズ＝全長4930mm×全幅1880mm×全高1625mm
ホイールベース＝2850mm
車両重量＝1890kg
タイヤサイズ＝235/45R21（前後）
フォルクスワーゲン パサート eハイブリッド R-Line
ボディサイズ＝全長4915mm×全幅1850mm×全高1500mm
ホイールベース＝2840mm
車両重量＝1830kg
タイヤサイズ＝235/40R19（前後）
パサートのEV航続距離はクラウンエステート以上となる142km
クラウンエステートのRSグレードと、パサートのeハイブリッドはどちらもPHEVだ。
クラウンエステートは2.5リッター自然吸気ガソリンエンジンにフロント182ps/270Nm、リア54ps／121Nmのモーターを組み合わせ、システム出力は306psを発揮する。
対するパサートのeハイブリッドは、1.5リッターガソリンターボエンジンに115ps／330Nmのモーターを組み合わせ、システム出力は約204psだ。出力差は大きいが、実用上の動力性能は同じくらいといえるだろう。
EV航続距離はクラウンエステートが最大89kmであるのに対し、パサートは最大142kmもの長い距離をモーターのみで走行できる。WLTCモード平均燃費はクラウンエステートが20km/Lでパサートが18.0km/Lと僅差だ。
ただしクラウンエステートはモーター駆動4WD「E-Four」であり、パサートは前輪駆動となる。クラウンエステートには後輪操舵機構「DRS」も備わるが、最小回転半径は両車ともに5.5mだ。どちらも大柄なボディサイズの割に優れた小回り性を発揮する。
トヨタ クラウンエステート RS
エンジン形式＝直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量＝2487cc
最高出力＝177ps/6000rpm
最大トルク＝219Nm/3600rpm
トランスミッション＝電気式CVT
駆動方式＝4WD
フォルクスワーゲン パサート eハイブリッド R-Line
エンジン形式＝直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量＝1497cc
最高出力＝150ps/5000〜6000rpm
最大トルク＝250Nm/1500〜4000rpm
トランスミッション＝6速DCT
駆動方式＝2WD（FF）
クラウンエステート以上に日本車らしい新型パサート
クラウンエステート「RS」の価格は810万円、対するパサート「eハイブリッド R-Line」はそれより130万円ほど安い679万4000円だ。CEV補助金はどちらも上限の55万円となる。
クラウンエステートよりも荷室の機能性に優れ、EV航続距離も長いパサートは用途が合致すれば間違いなく買得な1台といえるだろう。
そのうえパサートはインパネ中央に15インチの大型ディスプレイ「Discover Pro Max」が鎮座し、前席にはマッサージ機能も備わる。「eハイブリッド R-Line」を選べば電子制御ダンパーも標準装備だ。
クラウンエステートRSも電子制御ダンパーが標準装備となるが、パサートに搭載される「DCC Pro」は、ダンパーの伸び側と縮み側を独立して制御し、より適切なダンピング特性が得られやすい。
加えてパサートのドア内部には、ロールスロイスを彷彿とさせる折畳み傘収納スペースまで用意される。車内や荷室に輸入車らしからぬ便利機能が備わった新型パサートは、クラウンエステート以上に日本車らしい仕上がりだ。
車両本体価格
トヨタ クラウンエステート RS：810万円
フォルクスワーゲン パサート eハイブリッド R-Line：679万4000円
