乗用登録から商用登録に刷新 柔軟で力強いパワートレイン

数ある軽商用バンの中で、2021年末にフルモデルチェンジしたダイハツのアトレー(とハイゼットカーゴ)が現時点で最新鋭モデルとなる。

エクステリア

現行型は側面パネルや窓をより垂直に近づけるなど“車体の四角さ”を強調。理由はもちろん室内空間を広げるためだ。ワイパーが窓の上にあるのも室内長拡大のためなのだ。最小回転半径は4.2m。

基本は従来どおりのキャブオーバーレイアウトだが、プラットフォームから刷新。荷室サイズは長さで55㎜、幅で35㎜、高さで15㎜拡大して、現在は15年発売のエブリイを抜き返してクラストップとなり、全車速対応ACCも含めた運転支援/安全装備も最新である。さらにデビュー時は新開発のCVTや電子制御4WDも話題となったが、これらの駆動メカニズムは現在、競合するスズキ・エブリイにも使われる。

インストルメントパネル

運転席と助手席の間を移動する左右ウォークスルーがしやすいようにインパネシフトとし、シフトレバーも張り出しを最小限に抑えている。スマートフォンを接続すればナビとして使えるディスプレイオーディオも全グレードで選択可能。

ここで取り上げるアトレーも基本的にハイゼットカーゴと同じクルマだが、個人ユースを想定した上級モデル・・・という位置づけは先代同様。ただ、先代までのアトレーは乗用登録ワゴンだったが、現行型ではアトレーも4ナンバー商用登録となる。

居住性

4ナンバー車は後席空間が制限されるなどのデメリットもあるが、軽バンは車検も2年ごとでOKなど、個人用途でも困ることはあまりないこともあって、現行型では開発コスト削減の意味もあって、全車4ナンバー化に踏み切ったという。

うれしい装備

月間販売台数      2119台(24年7月~12月平均値)
現行型発表       21年12月
WLTCモード燃費     14.7㎞/ℓ

ラゲッジルーム

ハイゼットカーゴには自然吸気や5速MTも残されるが、アトレーはターボ+CVTのみ。シャシー性能も以前とは雲泥の差で進化しているが、CVT化されたパワートレインはそれ以上に〝目からウロコ〞の柔軟性と力強さが印象的。かなり頑固なMT派でも「アトレーだけはCVTで乗るべし」と思うことだろう。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.166「2025年 最新軽自動車のすべて」の再構成です。

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