ワイルド感あふれるスタイル 走行性能や操舵感覚は超優秀
LXの弟分として海外では2002年に登場したGXだが、3代目にして日本初導入。リアルオフローダーとして〝生きて帰ってこられる〞性能は共通だが、プレステージなLXに対してプレミアムだが気負わずカジュアルに使えるキャラクターだ。今回は正式発売時期の関係から、24年に先行発売(限定100台)された「オーバートレイル+」を試乗した(法規対応や細かな熟成が行なわれているが、基本は同じ)。
エクステリア




エッジの効いたスクエアフォルムの外装はランクル250と似ている感があるものの、外板はすべて専用。レクサスの品を損なうことなく〝ワイルド〞と〝ゴツさ〞を備えたデザインだ。ボディサイズは全長以外はLXとほぼ同じで、先代比だとサイズアップだが、ドアミラー形状の工夫でミラー・トゥ・ミラーは先代モデルよりも短い上に、見切りの良いボディ形状も相まってリアルな取り回し性はそれほど悪くない。
乗降性


インテリアはNX/RXに通じるTAZUNAコクピットを踏襲するが、インパネ上部はフラット形状、シフトまわりに走行系スイッチを集約するなど、視界性や直感操作がしやすい機能的なレイアウト。全体的なまとまりの良さはLXを超える。後席はリアルオフローダー黄金比のホイールベース2850㎜のため、広大とは言えないが必要十分な足元スペースは備えている。パワートレインはLX譲りの3.5ℓ V6直噴ツインターボ+10速ATだが、GXに合わせて小型タービン&専用制御でレスポンス重視だ。
インストルメントパネル

353PS/650Nmのスペックは2480㎏の重量級ボディを軽々走らせる余裕のパフォーマンスだが、LXよりもターボラグが少ないシームレスなトルク特性と高回転までストレスなく吹け上がる伸びの良さはスポーティと感じるほど。ただエンジンサウンドはやや主張が大きめなので、もう少し抑えたいところだ。シャシー系は基本素性に優れるGA-Fプラットフォーム+強化された車体の組み合わせに加えて、専用セットアップのAVS(電子制御ダンパー)、EPS(電動パワーステアリング)、E-KDSS(前後スタビライザーを電子制御)と、トヨタ/レクサスの本格オフローダーに与えられた武器をすべて盛り込む。基本的にはグローバル1スペックだが、タイヤだけ騒音規制対応のために265/70R18(オールテレイン)から265/65R18(オールシーズン)に変更されている。
居住性


走りは操舵応答やクルマの動きにボディオンフレーム特有のダルさはほぼ感じない。さらに低重心&重量バランスに優れる基本素性とE-KDSSやAVSの相乗効果で、無駄なロールを抑えながら四輪を上手に使って綺麗に旋回するので、感覚的にはより小さく、より軽いクルマに乗っている印象だ。オンロードで乗っている限りは、このクルマがリアルオフローダーであることを本当に忘れるくらいのフットワークだ。
うれしい装備





月間販売台数 26台(24年11月~25年2月平均値)
現行型発表 24年4月
WLTCモード燃費 8.1㎞/ℓ

ラゲッジルーム


乗り心地は入力が優しくショックをスッと抑えて無駄な動きを出さない絶妙なセットアップだが、細かい凹凸が続くようなシーンではバネ上が落ち着かずヒョコヒョコした動きが僅かに残るのが気になった。これは変更されたタイヤの影響だろう。


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