デュアルアクシス・サスペンションがタイプR以外に採用されるのは初めて

ホンダ プレリュード 新型

2025年後半に発売が予定されている新型プレリュードだが、シビック タイプRのサスペンションとシャシーアーキテクチャを採用することが、北米ホンダから発表された。まず、シビック タイプRの高性能デュアルアクシス・フロントサスペンションと、同車のサスペンション設計の大部分を採用するということだ。この新システムは2017年型タイプRでデビューし、タイプR以外のモデルとしては初めて搭載される。

ホンダ プレリュード 新型

デュアルアクシスストラットは、マクファーソンストラット式フロントサスペンションとデュアルウィッシュボーン式の利点を兼ね備えている。この革新的なフロントサスペンションは、ステアリングオフセットを低減、コーナーでのキャンバー角を増やし、キャスター角を大きくしている。これらすべてが、コーナリング限界を高め、直進安定性を向上させると同時に、トルクステアを低減する。その代償として、やや複雑で高価になるが、ハンドリングを重視するなら、その価値は十分にあると言える。

タイプRサスペンションはタイヤを外側に押し出すことでパフォーマンスを向上させると同時に、車体を低く、ワイドに見せる効果もある。その差は大きく、シビック タイプRのフロントトレッドは64インチ、リアトレッドは63.5インチで、フロントで3.5インチ、リアで1.9インチワイドになっている。

プレリュードには、タイプRのアダプティブショックアブソーバーも搭載される。これらは再調整されるが、快適性とスポーツ性の間のギャップを広げ、乗り心地とハンドリングのバランスを双方で向上させるはずだ。

ブレーキは、フロントに13.8インチのローターを装着し、4ピストンのブレンボ製キャリパーでクランプ。このローターは2ピース構造で、ハブへの熱伝導を抑え、システムの軽量化に貢献する。また、標準のシビックよりも直径が2.7インチ大きいため、制動力が向上し、放熱性も向上している。

プレリュードは単なる4気筒ターボンジンではなくハイブリッド車であり、ボディ形状も異なるため、、タイプRの部品をそのまま流用するのではなく、プレリュード向けにサスペンションとブレーキシステムをチューニングする。

新型プレリュードはシビックのハイブリッドシステムを採用するが、さらに独自のS+シフトテクノロジーを搭載する。このシステムはヒョンデのN e-Shiftシステムに似たシステムと言われている。エンジン音とギアシフトをシミュレートすることで、ハイブリッド車でありながら、まるでアグレッシブな走りをしたいガソリン車のような感覚を味わえるように設計されているのだ。タイプRサスペンションと組み合わせることで、新型プレリュードはより一層走りの楽しさを増すことだろう。