デザインコンセプトは「グライディングクロススタンス」
エクステリアのデザインコンセプトは、車両全体のグランドコンセプト「アンリミテッドグライド」を起点に構築されている。特にグライダーから着想を得た滑空感と高揚感の交差をテーマとし、「グライディングクロススタンス」というキーワードが掲げられた。
このコンセプトを具現化するために設定されたのが、「三次元的に交差するクリーンかつダイナミックなサーフェス」「グライダーのように伸びやかで軽快なプロポーション」「ダイナミックな走りを予感させるスポーティなスタンス」という三つの要素である。

まずサーフェスに関しては、ボディサイドのキャラクターラインとボリュームラインを三次元的に交差させる設計とし、フロントからリアに向かって駆け上がるキャラクターラインと、リアからフロントへと走るボリュームラインが乗員の位置付近で交差するように構成されている。この処理により、視覚的な軽快さとダイナミズムが両立されている。リアビューにおいては、キャビンを絞り込むことで相対的にフェンダーの張り出しが強調され、スポーツカーらしいスタンスが明確に表現されている。

外観を形づくるパッケージングについては、スポーツカーとしての特別感(スペシャル)と日常性や実用性(バーサティブ)を両立させることが基本方針となった。具体的には、ワイド&ローのプロポーションを追求し、19インチの大径タイヤを採用することで、外観上の迫力と走りに対する期待感を演出している。

一方で、FFレイアウトを活かし、トランクには低床かつ容量のあるスペースを確保し、出し入れしやすいハッチバック構造とすることで、日常的な使いやすさにも配慮がなされている。また、後席のスペースも確保することで、いざというときの多人数利用にも対応可能なパッケージとして設計されている。
さらに、運転中の車両感覚をつかみやすくするため、前席ヒップポイントを起点に、乗員の安全性やルームミラーの見え方などを踏まえた上で、フロントウインドウ上端の高さを可能な限り低く設定。このラインから始まるルーフが滑らかに後方へ続くことで、全体として低全高で伸びやかなシルエットが形成されている。大径タイヤの採用によりフェンダー上部の厚みを視覚的に抑え、ワイド&ローのシルエットがより際立っている。
プロポーションについては、グライダーのようなスムーズでノイズのない外観を目指し、シャープで低いフロントノーズと、滑らかに連続するルーフラインを中心に構成されている。
スタンスについては、走行性能を予感させるしっかりとしたフェンダー形状と、各部の比率にこだわった設計が施されており、離れた場所からでもスポーティなワイドアンドローが認識できるようになっている。また、前後のランプにはいずれも横一文字のグラフィックを取り入れ、視覚的なワイド感の強調が図られている。


車両の比率に関しては、外観の美しさと運動性能の両立を重視し、ホイールベースとトレッド幅の比率(アスペクトレシオ)を1.6に設定。直進安定性と旋回性のバランスを取りつつ、スポーツカーらしい姿勢を実現している。また、タイヤ外径が全高に占める割合を約50%に設定することで、スポーツカーとしての正しいプロポーションを確保している。

灯体デザインでは、ヘッドライトのデイタイムランニングライトを外側へ向かって駆け上がる形状とし、ストライプ状のディテールを取り入れることで、点灯時の印象に先進性と緻密さを与えている。リアコンビネーションランプは、消灯時にはダブルライン、点灯時には一本の均一な光となるよう設計されており、いずれの状態でもワイド感と質感が維持される構造となっている。いずれの灯体も機能部品をブラックアウトエリアに集約することで、横一文字のグラフィックが際立つよう調整されている。
足元には、太いメインスポークと細いサブスポークをレイヤー状に配置した19インチアルミホイールを装備。デザイン性、性能、量産性のすり合わせを徹底し、スポーティさと特別感を両立している。また、ブレンボ製ブレーキキャリパーにはブルーのアクセントカラーを採用し、そこに車名ロゴを加えることでデザイン的な一貫性と視覚的なインパクトを確保している。

フロントフェイスは、ブラッククロームの一文字ルーバーにより上質さとワイド感を演出し、ロアグリルやバンパー下部にはブルーのアクセントを配して車高の低さを強調している。グリルメッシュは羽根形状を放射状に広げた意匠とし、軽快さと躍動感を視覚的に表現している。

エンブレムも、新旧の融合を意識した設計がなされている。上部には新たな「バラ文字」仕様のホンダHマークを採用し、未来との接続を象徴。一方、下部の「PRELUDE」ロゴは4代目のエンブレムをベースにしつつ、現代的に書体を再設計することで、ブランドの継承と進化を同時に示す構成となっている。

ボディカラーは、新色のムーンリットホワイトパールが主軸となる。このカラーは、高い輝度と明暗の陰影によって面の美しさを際立たせる設計となっており、ブルーのアクセントと組み合わせることで、視覚的な清潔感と動きの印象を同時に演出する。また、ブラックルーフとのツートーン仕様も用意されており、よりスポーティな印象を加えることができる。その他には、メテオロイドグレーメタリック、クリスタルブラックパール、そして歴代プレリュードを想起させるフレームレッドの計4色が設定されている。







