ポルシェ 911 GT3 カップ 新型 ティザーイメージ

ポルシェは今月初めに911カレラ4Sの改良モデルを発表したばかりだが、今回、ポルシェはサーキット走行に特化したモデルに力を入れているようだ。その一環として、新型911 GT3カップの公開準備が進められている。

ポルシェ 911 GT3 カップ 新型 ティザーイメージ

“992.2”世代に属するこのレースカーは、「徹底的な最適化」が図られており、開発は2024年1月に開始された。現時点でポルシェは詳細を多く語っていないが、フロントエンドの空力性能向上に注力していることが明らかになっている。

具体的には、ボンネットベントの位置変更に加え、新たに台形のロワーインテークを採用。さらに、大型で存在感のあるフロントスプリッター、再設計されたフロントバンパー、そして新形状の大型リヤウイングが装着されている。リヤセクションにも改良が加えられ、下部ブレーキランプの位置が見直されている。

部分的に見えているインテリアの画像からは、改良されたステアリングホイールと刷新されたデジタルメータークラスターが確認できる。加えて、ロールケージやレーシングシートも装備されていることがわかる。

そのほか、ポルシェは具体的な情報については明らかにしていないが、「安全性、エレクトロニクス、ブレーキ、パワートランスミッション、6気筒ボクサーエンジン、そしてハンドリングなど、数多くの改良が施される」と明言している。

パワートレインも未公開だが、現行モデルには4.0L 水平対向6気筒エンジンが搭載されており、最高出力は510ps(375kW)、最大トルクは470Nmを発揮。6速シーケンシャルトランスミッションと組み合わされ、リミテッドスリップデフを介して後輪に駆動力が伝えられる。

ポルシェによると、改良型GT3カップの開発は「ほぼ完了」しており、ポルシェ・モービル1・スーパーカップで使用される合成燃料“eFuel”を搭載したプロトタイプが、すでにテスト走行を重ねている。このプロセスの一環として、この車両は既にイタリア・モンツァのグランプリサーキットとドイツのラウジッツリンクでの実走行を実施しているという。

新型911 GT3カップは、2026年シーズンの開幕から『ポルシェ・モービル1・スーパーカップ』や、一部のカレラカップシリーズに参戦可能になる予定だ。なお、ポルシェはこれまでに5381台ものカップカーを製造しており、「世界で最も多く生産されたレーシングカーのひとつ」としてその実績を誇っている。

最後に、ポルシェ・モータースポーツのGTレーシングカー担当プロジェクトマネージャー、ヤン・フェルドマン氏は、「現行の911 GT3カップは、既に非常に高いパフォーマンスレベルで運用されています。これにより、世界的なワンメイクカップからのフィードバックをより重視し、現行のカップ911と比べて多くの点で改良されたレーシングカーを開発することが可能になりました」と付け加えており、2026年のレースシーンでも、圧倒する走りを見せてくれるだろう。

最後に、ポルシェ・モータースポーツでGTレーシングカーを担当するプロジェクトマネージャーのヤン・フェルドマン氏は次のように語っている。
「現行の911 GT3カップはすでに非常に高いパフォーマンスを発揮しています。そこから得られた世界各地のワンメイクカップ参戦チームからのフィードバックを活かし、従来型と比較してあらゆる面で進化したレーシングカーを開発することができました」

2026年のレースシーンでも、新型GT3カップが圧巻の走りを披露してくれることは間違いなさそうだ。