中型無人機は、災害時の救援物資輸送や、離島・山間部への物流支援、送電鉄塔工事における資材運搬などの多様な用途を想定して開発されている。また、離陸・巡航時における耐風機能を高める物資の抱え込み機能、目的地で着陸することなくホバリング(停止飛行)状態からウィンチで物資を下ろす自動荷下ろし機能を有している。今回の訓練では、救援物資の積載実証および飛行実証が行われた。今後は、衛星通信機能の搭載、ハイブリッド化※による航続距離の延長といった機能向上が推進される。
※エンジンを用いて発電する方式
VTOL型無人機は、離島や航行中の船舶へ救援物資を迅速に届けることを想定して開発されている。1,000kmもの長距離を高速で飛行し、滑走路のない場所でも離着陸が可能。今回の訓練では、VTOL型無人機の機動性と垂直離着陸能力を生かし、被災地に迅速に医薬品を届ける輸送実証が行われた。
三菱重工は引き続き民間・防衛用途の両方を考慮したデュアルユースの無人機開発を推進し、その活用を通して、さまざまな社会的課題の解決に取り組んでいく。
中型無人機 仕様
- ペイロード(最大積載量):200kg
- 航続距離:15km(バッテリータイプ)
200km(開発中のハイブリッドタイプ) - 機体寸法:全長約6m
- 動力:バッテリー/ハイブリッド(開発中)
- 運搬容易性:離発着地までトラックで運搬可能
- 実証試験のための追加装備:ウィンチを使った自動荷下ろしシステム、支援物資運搬コンテナ

VTOL型無人機 仕様
- ペイロード(最大積載量):5kg
- 航続距離:1,000km
- 機体寸法:全長2.4m、主翼幅3.4m
- 動力:固定翼推進用:エンジン
マルチコプター用:電動モーター

