初代NSXは、1990年に登場。伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナが開発に関わり、時代を超越したデザインと先進的なエンジニアリングを実現。長年愛されており、今もアフターマーケットで人気を博している。

オーストラリアに拠点を置く新興チューニング会社オートティークがNSXに新たな解釈を加えたモデルは、ワイドボディとOEM Plusという2種類のボディキットを提供している。どちらのキットも、今月オーストラリアのシドニーで開催されたSession AUショーで初公開された。

展示の目玉となったのは、ノルウェーを拠点とするフリーランスの自動車デザイナー、Piston ZeroがスケッチしたNSXワイドボディだ。最初のレンダリングを制作した後、プロジェクトはタイのデザイナー兼ビルダーであるMozyに引き継がれ、プロトタイプを製作した。その後、オートティークが引き継ぎ、少量生産に向けてデザインを準備したという。

大規模な改造は、NSXの外装パネルの大部分は特注パーツの交換からはじまり、よりエキゾチックなスーパーカーのような外観になっている。オリジナルのリトラクタブルヘッドライト、ドア、ボンネット、グリーンハウスなどは、変更されていない数少ないパーツだ。特筆すべきは、2001年から2006年に製造されたフェイスリフトモデルではなく、初期NSX(1990~2001年)をベースに採用した点だろう。

フロントエンドには、大型化されたクーリングインテーク、スリムなLEDデイタイムランニングライト、そして大きく目立つスプリッターを備えた専用バンパーが装着されている。サイドには、ワイド化されたフェンダーと改良されたスカートが、車両のスタンスを強調している。また、社外品のアルミホイールと超ロープロファイルタイヤを装着し、標準車よりも明らかに低い車高も特徴となっている

リヤセクションでは、NSXワイドボディは、オリジナルの全幅テールライトを、LEDグラフィックとスモーク仕上げが施された社外品の新型テールライトに交換している。リアバンパーは、幅広のフェンダーに合わせて形状が変更され、両側にデュアルエキゾーストパイプをインストールし、大型ディフューザーが組み込まれている。

また、ボディカラーに合わせた固定式リヤウィングエクステンションが、デザインを引き締めている。最終的なプロトタイプでは、ホンダバッジ、ベント付きボンネット、カナードといったディテールが一部欠落しているものの、オリジナルのレンダリングにほぼ忠実に再現された。

より控えめな外観をお好みの顧客は、「NSX OEM Plus」が用意されている。このバージョンは、改良されたインテークを備えたフロントバンパー、わずかに盛り上がったボンネット、延長されたサイドスカート、そしてリアバンパーエクステンションを特徴としている。全体的なスタイリングは控えめながらも、NSXの現代的な感覚をアップデートしていることがわかる。

今回、オートティークはパフォーマンスやシャシーのアップグレードを行っておらず、3.0L自然吸気V型6気筒DOHC「VTEC」エンジンを搭載。最高出力274ps、最大トルク285Nmという当時のままのスペックが、かえって魅力的と感じるかもしれない。
オートティークによると、新しいキットは近日中に予約注文が可能になる予定だが、価格は公表されていない。





