本事業のねらい
本事業は、インドの製造業における物流やCFPなどのサプライチェーンの最適化と、自動車のアフターマーケットにおけるユーザーの利便性向上につながるバリューチェーンの構築を目指すものである。また、本事業の参加パートナーの生産性向上と競争力強化に加え、インド製造業の競争力強化に資する人材育成にも貢献しようとするものとされる。
さらに、得られた知見・ノウハウ・経験を基に、DIは、今後インド起点のグローバル事業の創出に挑戦する日本企業に対して、構想・戦略・アーキテクチャ策定から製品開発・事業開発の実行伴走(インストレーション)、そしてイノベーションエコシステムの創出まで一気通貫した支援の拡大が目指される。デンソーは、今回の社会実装ユースケースから得られた知見や技術を、インドだけでなくリバースイノベーションとして日本国内や他国にも還元していくことが目指される。
本事業の概要
採択日: 2025年7月15日
事業名: 製造・モビリティ分野向け統合デジタルプラットフォームのインド社会実装事業
期間: 2025年7月~2027年11月
内容: インドの製造業におけるサプライチェーンおよび自動車のアフターマーケットにおけるバリューチェーンに関連する膨大なデータと、このデータを活用した以下の5つのアプリケーションをあわせて管理する「統合デジタルプラットフォームSolwer※2」の、インド社会への実装に向けた実証が推進される。DIは、事業開発支援とプロジェクト全体の管理・調整を担い、デンソーは、開発したアプリケーションの運用および現地での実証と事業展開を主導する。
5つのアプリケーション
- 物流マネジメント:車両・在庫・輸送品質を統合管理する物流最適化プラットフォーム
- カーボンフットプリントマネジメント:製造からアフターサービスまでのCO2排出量を可視化し、Scope1~3の追跡・報告・削減を支援するGHG(温室効果ガス)マネジメントツール
- KAIZEN IoT:製造現場のボトルネックを可視化し、Kaizenを支援するIoTソリューション
- アフマスーパーアプリ:自動車の修理、洗車、保険などを一括予約・管理し、ユーザーの利便性と事業者の収益向上の両立を支援するアプリケーション
- デジタルインスペクション:自動車の外観をスマートフォンやタブレットで撮影し、その画像データをもとにAIが損傷を検出・自動レポート化する車両検査ツール

【注釈】
- UNIDO(United Nations Industrial Development Organization)は、日本の経済産業省による資金拠出のもと、グローバルサウス諸国における日本企業による大型実証の実施をサポートすることにより、グローバルサウス諸国と世界における技術革新、サプライチェーンの強化、産業インフラの確立を推進するプログラム「グローバルサウス諸国への日本からの技術移転を通じた産業協力プログラム」を実施している。
- Solwerは、デンソーがアジア・インド地域で展開する、社会課題解決を目的としたデータ駆動型ソリューション提供のためのデジタルプラットフォーム。