
スバルは現在、欧州市場で完全電気自動車(EV)「BRZ」の復活を検討しており、スポーツクーペを同市場に再導入する可能性もあることがわかった。
次期型では、欧州の厳しい排ガス規制を満たすため、完全電気自動車(EV)BRZの投入を検討しているようなのだ。
スバルは最近、電気クロスオーバーSUVへの注力を強化しているようだが、パフォーマンスモデルのファンにとっても期待できるものがある。新型アンチャーテッド、改良型ソルテラ、そしてトレイルシーカーに加え、スバルはBRZの完全電気自動車版を検討していると海外メディアに報じられている。もしこの計画が実現すれば、長年の不在を経て、BRZが欧州市場に復活する可能性もありそうだ。
初代BRZは2011年後半に発売され、2代目モデルは2020年に発売された。どちらも電動化されていない水平対向エンジンを搭載していたが、欧州の厳しい排ガス規制により、ドイツ市場で生産が中止されている。現行BRZは一部の欧州市場でのみ限定的に販売されているが、スバルの現地ラインナップにはスポーツカーが存在しない状況となっている。

しかし現在、スバルはスポーツカーファンを満足させる、ゼロエミッションBRZの開発を積極的に検討しているとみられ、将来的には状況が変わる可能性がありそうだ。スバル・ヨーロッパのゼネラルマネージャー、デビッド・デッロ・ストリット氏は、Autocar誌に対し、このモデルが完全電動パワートレインで復活する可能性があると語ったようだ。
「選択肢は様々です」とデッロ・ストリット氏は述べたが、スバルの当面の優先事項はアンチャーテッドのような電動クロスオーバーにあることも明言しており、よりスポーティなプロジェクトに目を向けるのは、その後になるかもしれない。
今年初め、ストリット氏は、排ガス規制への対応として、電動化がスバルSTI部門の今後の方向性となる可能性を示唆した。「EVにはパワーとパフォーマンスに加え、四輪駆動システムが備わっています。私たちはよりスポーティなモデルの開発に取り組んでおり、電動化によってそれが可能になるのです。」と説明。
スバルのグローバルEVマネージャーである井上正彦氏は、トヨタとの提携の一環としてBRZの電動化を検討していることを認めている。「BRZとGT86の電動化も検討しましたが、Win-Winの関係がより重要であり、現時点では双方にメリットをもたらすような状況には至っていません。」と語っており、次期型の結論には達していないようだ。
現段階でスバルの電動スポーツカーの最も有力な説は、2ドアクーペのボディスタイル、未来的なスタイリング、そして高い車高を特徴とする2023年発表の「SPORT MOBILITY Concept」(スポーツモビリティコンセプト)です。このコンセプトカーはBRZと似たフットプリントを持つが、四輪駆動の電動パワートレインを搭載しているハイライディングスタイルだ。
スバルはスポーツモビリティコンセプトのスペックを明らかにしていないが、現行EVのデュアルモーター構成は最高出力380ps(280kW)を発揮する。
ではハイブリッドはどうだろうか?
井上氏は、パッケージングの制約を理由に、現行BRZにハイブリッドシステムを搭載する可能性を否定している。専用の電動スポーツカーをゼロから開発する方が、よりシンプルで効果的だと同氏は語っているからだ。
次期スバルBRZがトヨタと提携するかどうかは、まだ分からなり。これまでの情報によると、GR86の後継車はトヨタが完全に自社開発を目指しており、フロントに内燃エンジンを搭載し、後輪駆動レイアウトを維持すると噂されている。
果たしてBRZ次期型はどのようなボディスタイル、パワートレインで登場するのか、新情報を入手次第、お伝えしていこう。




