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今日は何の日?

■1.8Lを搭載したコンパクトセダンのスカイライン1800

1969(昭和44)年8月13日、日産自動車は前年にデビューした1.5L直4エンジン搭載の3代目スカイラインの排気量を1.8Lに拡大した「スカイライン1800」を発売した。6気筒エンジンの高性能モデル「2000GT」や「2000GT-R」が注目された3代目(ハコスカ)だが、パワフルな4気筒エンジンを搭載した軽量ボディの1800スカイラインも軽快な走りで高い評価を受けた。

3代目スカイライン「スカイライン1800」
1969年にデビューした3代目スカイライン「スカイライン1800」

初代スカイライン誕生とスカイランGTの誕生

初代スカイライン
1957年に誕生した初代スカイライン。重厚なアメリカンスタイルの高性能セダン

1957年4月、富士精密工業(後に日産と合併するプリンス自動車の前身)から、初代スカイライン「プリンス・スカイライン」が誕生した。初代スカイラインは、クラストップの最高出力60ps/最大トルク10.75kgmを発揮する1.5L直4 OHVを搭載し、中島飛行機の流れを汲んだ技術者によって開発された先進技術満載の高性能セダンだった。

1963年9月には、モデルチェンジで2代目に移行。初代同様ファミリーセダンだったが、1964年の第2回日本GPへ参戦するために、2代目グロリアの2.0L直6 SOHCエンジンを搭載して最強マシンを作り上げた。その際、ホイールベースを延長、ノーズを200mm伸ばして6気筒エンジンが収まるようにし、さらにエンジンチューニングによって、最高出力150ps/最大トルク18.0kgmまで性能が高められた。

レースは、圧倒的な性能を持つ「ポルシェ904」に敵わなかったが、なんと7周目のヘアピンカーブでポルシェ904を抜き去り、先頭に立つという快挙をやってのけた。このシーンで観客は熱狂し、ここにスカG伝説が始まったのだ。

伝説の第2回日本GP
伝説の第2回日本GP、スカイライン(生沢徹)がポルシェ(式場壮吉)を抜いた!

このレース参戦のためホモロゲーションを得るために必要となる100台の手作り生産が行なわれ、「スカイライン2000GT(S54A型、GT-A)」が誕生。市販車モデルの価格は88万円で、最高出力105ps/最大トルク16.0kgmに抑えられていた。

3代目ハコスカ誕生

3代目スカイラインは、1968年8月にデビューした。当初は最高出力88psの1.5L直4 OHVのみ、ボディも4ドアセダンとワゴン/バンの2種類だったが、先代S54A型(GT-A)の後継モデルである2.0L直列6気筒を搭載した「2000GT」が、同年10月に追加された。

スカイライン1500
1968年にデビューした3代目スイカイラン「スカイライン1500」

3代目スカイライン2000GTは、レース参戦のために急遽仕立てられた初代のS54型とは異なり、当初から計画されたモデルであり、ロングノーズのボディは同じだが、スタイリングからメカニズムまで専用設計された。エンジンは、先代の直6を改良した2.0L直6 SOHC(L20型)で、最高出力105ps/16.0kgmを発揮、トップスピード170km/hを記録した。

スカイライン2000GT
1968年にデビューした「スカイライン2000GT」

車両価格は、86万円。当時の大卒初任給は、3.1万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約638万円に相当する。

1969年にデビューした「スカイラインGT-R」
1969年にデビューした「スカイラインGT-R」

さらに、翌1969年2月には、プロトタイプ・レーシングマシンであるR380用をベースにした160ps/18.0kgmの2.0L直6 DOHCエンジンを搭載した「スカイラインGT-R」が登場。トップスピードは200km/hを超えるが、4ドアセダンのGT-Rの外観はノーマル仕様のスカイラインとほとんど同じなので、“羊の皮を被ったオオカミ”と呼ばれるようになった。

車両価格は150万円、現在の価値で約1015万円に相当する。

ショートボディで4気筒エンジンを搭載したスカイライン1800追加

6気筒エンジンを搭載したロングノーズの高性能モデル2000GTやGT-Rのデビューで人気モデルとなったハコスカだったが、4気筒エンジンを搭載したショートボディで人気を獲得したのが、1年遅れの1969年8月のこの日にデビューした「スカイライン1800」である。

1969年にデビューした3代目スカイライン「スカイライン1800」
1969年にデビューした3代目スカイライン「スカイライン1800」

スカイライン1800は、ローレルに搭載されたパワフルな100ps/15.0kgmを発揮する1.8L直4 SOHCエンジンを搭載。トップスピードは165km/hを超え、特にスポーティDXグレードは俊足なセダンだった。その要因となったのは、965kgという車重であり、1500と比較しても僅か5kgしか増えていなかった。

「スカイライン1800」のコクピット
「スカイライン1800」のコクピット
「スカイライン1800」のフロントシート
「スカイライン1800」のフロントシート

当然ながら、最高速などの絶対的な性能は2000GTの方が上回っていたが、ロングボディの2000GTの車重は1090kgでショートボディの1800よりも125kg重かった。その分、スカイライン1800の方が、加速フィールやシャープなハンドリングに優れていたのだ。

日産「スカイライン1800」
日産「スカイライン1800」

車両価格は、スポーティグレードDXが76.2万円。現在の価値では約474万円に相当する。パワフルな2000GTやGT-Rの陰に埋もれがちだったが、コスパに優れたスカイライン1800も人気を獲得した。

3代目スカイライン HT2000GT-X
1971年に追加された3代目スカイライン HT2000GT-X

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スカイラインと言えば、直列6気筒エンジンが定番。4気筒エンジンで注目されたのが、1983年2月に“史上最強のスカイライン”のキャッチコピーで登場した「スカイライン・ターボRS」である。実力的にはGT-Rを名乗っても良かったが、4気筒ゆえにGT-Rを名乗れなかったという逸話が有名だ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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