アジアクロスカントリーラリー2025も競技3日目となるこの日、前日カオヤイに入ったわけだが、この日はカオヤイ周辺を周るコース設定で、サービス部隊の移動はナシということもあって、サービスパークも少し落ち着いた雰囲気だ。さらに当初予定されていたカンボジア国境付近へのSS(スペシャルステージ)の設定が直前になって中止となり、競技4日目と6日目がキャンセルされている。つまり、この3日目を乗り切れば、休息日がやってくるのだ。

この日のSS区間は195.76km、RS(ロードセクション)が66.94kmと97.80km、総移動距離は360.50kmという設定となっている。カオヤイ国立公園にも近い、キャンプ場や別荘地などがある丘陵地帯からスタート。前半はロックセクションが続くが、後半は砂地に変わり、さらにスコールもやってきて、多くのドライバーを苦しめることとなった。

「No. 141 Spring Road GEOLANDAR Rally Team Japan」のスズキ・ジムニー(松原圭蔵/富山巧大組)

この日も日本勢には試練がのしかかっていた。前日、左コーナーではらんでコースアウトし3mほどさかさまになって落ちてしてしまった車両を応急処置で走らせることとなった「No.104 TOYOTA GAZOO RACING INDONESIA」のトヨタ・フォーチュナー(塙郁夫/染宮弘和組)は出走したものの、オイル漏れもあり、SSまで走れずにデイリタイア。2日間好調に走行を続けてきた「No.119 Kyushudanji team Japan(森川金也/内田雅彦組)」もここでホーシングが折れてしまいデイリタイア。車両は翌日早朝に溶接機を現場に持ち込んでとりあえず走れるようにしてサービスに持ち帰ってきた。これまで順調に走行を続けてきた「No. 140 eTOHYO FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」のランドクルーザー・プラド(山崎元彰/中田昌美組)も右前の足回りが折れて走行不能に。そして「No. 141 Spring Road GEOLANDAR Rally Team Japan」のスズキ・ジムニー(松原圭蔵/富山巧大組)もミッションが壊れ交換を強いられた。「No.123 The SRS-OSAKA WELPORT RALLY TEAM(飯島祐一/和久田浩史/青木孝次組)」もラテラルロッドが折れ、飯島選手は「ずっとハンマーで叩かれているようなものだ」と各車が壊れていく様をそのように語っていた。

この日のトップタイムを出したのは、昨年の覇者である「No.101 TOYOTA GAZOO RACING THAILAND」のMana Pornsiricherd/Kittisak Klinchan組(トヨタ・ハイラックス/3時間32分45秒)であった。一方総合トップにいたチームメイトである113号車のNatthaphon Angritthanon/Thanyaphat Meenil組はサストラブルなどが重なりこの優勝争いから離脱してしまう。

「No.102 ISUZU SUPHAN YOKOHAMA LIQUI MOLY RACING TEAM」のSuwat Limjirapinya/Prakob Chaothale組(いすゞD-MAX/3時間37分04秒)

2番手には昨年準優勝であった「No.102 ISUZU SUPHAN YOKOHAMA LIQUI MOLY RACING TEAM」のSuwat Limjirapinya/Prakob Chaothale組(いすゞD-MAX/3時間37分04秒)がつける。

「No.112 MITSUBISHI RALLIART」のChayapon Yotha/Peerapong Sombutwong組(三菱トライトン/3時間37分10秒)

その6秒後に入ったのが「No.112 MITSUBISHI RALLIART」のChayapon Yotha/Peerapong Sombutwong組(三菱トライトン/3時間37分10秒)。初日から2番手、2番手、3番手と好調さをキープし、ここで2位に11分もの差をつけ暫定総合1位に上がることとなった。

Leg4 はキャンセルとなったため、8月12日(火)の予定は全車プラチンブリへの移動のみ。各チームは、パーツの調達をしたり、修理工場に入れたり、またサービスパークでの重整備を行なって、車両をピカピカに仕上げ、後半戦に臨む。