Ford GT Mk IV
GTマシンを超えるトラックカー

サーキット専用モデルとして2022年に発表された「フォード GT Mk IV」は、67台のみを限定販売。67台のうちのほとんどが、既にカスタマーにデリバリーされる中、フォード・パフォーマンスは残り車両の注文受付をスタートした。これを受けて、2025年8月、フォードとマルチマティック・モータースポーツは、GT Mk IVのカーボンファイバー製シャシーの最終生産を開始している。
フォード GT Mk IVは、2016年のル・マン24時間レースにおいてクラス優勝と3位表彰台を獲得したGTレーシングカーをベースに開発。フォードとマルチマティックのエンジニアたちは、公道における交通法規やモータースポーツのレギュレーションに縛られることなく、自由にパフォーマンスを追求した。ボディ、パワートレイン、サスペンションはすべて一新され、トラックイベントで先頭を走るために専用チューニングが施されている。
オリジナル仕様からアップデートされた第3世代の3.8リッターV型6気筒エコブースト・ツインターボエンジンを搭載。ラウシュ・イエーツ・エンジン(Roush-Yates Engines)が開発を担当し、最高出力831PSを超える出力を発揮し、GTレーシングカーよりも強化されたクラッチとパドルシフト式6速シーケンシャルトランスミッションを介して後輪を駆動する。
オーナー専用のトラックデイも用意

足まわりには、マルチマティック製アダプティブ・スプールバルブ式ダンパーを採用。このダンパーはサーキット専用の高度なサスペンションに最適化されており、ドライバーは走行中でもコクピットで足まわりの調整を行うことができる。カーボンファイバー製シャシーには、フォード GT Mk IV専用のアッパーロールケージも導入された。
専用エアロダイナミクスは、150mph(241km/h)のスピード域において2400ポンド(1088kg)を超えるダウンフォースを発揮。GT Mk IVは、プロドライバーがステアリングを握った状態で、ワークスドライバーがドライブするオリジナルのフォードGT GTLMレーシングカーよりも速いラップタイムを刻んでいる。
フォード・パフォーマンスとマルチマティックは「マルチマティック・オン・トラック」を通じて、すべてのオーナーに専用の顧客体験を提供。このプライベートトラックデイには、ファクトリーによる技術サポートとトラックサイド・サポートが含まれ、オーナーは開発ドライバーのスコット・マックスウェルと共に徹底的なテスト走行を行い、リード&フォローセッションに参加することができる。
オーナーはフォード・パフォーマンスとマルチマティック・モータースポーツのプロフェッショナルドライバーたちから、個人向けのマンツーマンコーチングを受けることも可能。トラックデイ終了後、フォードGT Mk IVは徹底的な点検と整備が行われ、次のトラック走行体験に備えられる。
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