より上質に進化したエクストレイル、注目はアウトドア志向の「ROCK CREEK」に注目

日産自動車は2025年8月21日、人気SUV「エクストレイル」のマイナーチェンジを発表した。発売は9月18日から全国一斉に開始される。今回の改良では、内外装デザインのリフレッシュに加え、最新のインフォテインメントや安全技術を採用。さらにアウトドア志向を際立たせた新グレード「ROCK CREEK」を追加することで、幅広いユーザーのライフスタイルに応えるモデルへと進化した。
デザインの進化と上質感の追求

フロントグリルは横桟調の精密なパターンを採用し、洗練された印象を強調。上下二分割ヘッドランプは常時点灯のデイタイムランニングランプとし、存在感を高めた。前後ターンシグナルはLED化され、先進性と質感を両立している。フロントバンパー下部にはグロスブラックとサテン調シルバーのアクセントを組み合わせ、SUVらしいタフさと都会的な雰囲気を兼ね備える。幾何学的な切削パターンを持つ新デザインの19インチアルミホイールも、足元に力強さを与えている。

インテリアでは、インストルメントパネル上部を黒色化し、引き締まった印象を演出。ナッパレザー仕様には落ち着きのあるブラウンを新採用した。織物の繊細さを活かしたシートクロスは「ジャパニーズモダン」を感じさせ、大人の上質感を漂わせる。機能面ではワイヤレス充電器付きコンソールや大型収納を継承しつつ、全席USBポートをTYPE-Cに統一。利便性も高められた。

日産初のGoogle搭載インフォテインメント
今回の改良で注目すべきは、日産として国内初となるGoogle搭載「NissanConnectインフォテインメントシステム」の導入だ。Googleマップによるルート案内、Googleアシスタントによる音声操作、Google Playストアによるアプリ利用が可能になり、Googleアカウントとのシームレスな連携を実現した。ワイヤレスCarPlay/Android Auto、NissanConnectサービス、車内Wi-Fiも利用可能となり、コネクテッド体験も大幅に向上した。さらにスマホアプリからエアコン操作やドアロック確認・施錠ができる機能も加わり、快適性と安心感が一層高められた。

最新カメラ技術による安全支援

安全装備では「インテリジェント アラウンドビューモニター」に新機能を追加。車両周囲を立体的に映し出す「3Dビュー」や、ボンネット下の死角を映し出す「インビジブルフードビュー」を日産として国内初採用した。これにより巻き込み防止や狭路での運転支援が強化され、ドライバーの不安を大きく減らす。また「フロントワイドビュー」には地点登録機能を追加し、ユーザーが設定した交差点や自宅付近で自動的に表示されるようになった。

新たに追加された「ROCK CREEK」

今回のマイナーチェンジにおける最大のトピックが、新設定の「ROCK CREEK」である。アウトドア志向のユーザーを想定したモデルで、専用デザインのフロントグリルやバンパー、ラバレッドのアクセントを配したアルミホイールを装備。SUVとしての力強さを際立たせるブラック基調のエクステリアと、防水加工を施した専用シートなどを備え、アウトドアユースに特化した仕立てとなっている。専用ボディカラーとしてキャニオンベージュ×スーパーブラックのツートーンを設定するなど、存在感は抜群だ。
カスタマイズの広がり「SOTOASOBIパッケージ」

さらに日産は、エクストレイルをアウトドアイメージに特化させる「SOTOASOBIパッケージ」を9月18日より発売する。艶消し黒のプロテクションシールドやタフブラックのフェンダーガーニッシュ、専用エンブレムを組み合わせ、釣りやキャンプの“相棒”として使いこなす価値観を提案する。現行T33型だけでなく、先代T32型用も設定され、既存ユーザーのカスタマイズ需要にも応えている。
「AUTECH」シリーズも改良、スポーティ仕様を追加

日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が手掛ける「AUTECH」も、ベース車の改良に合わせてアップデート。Google搭載インフォテインメントや最新カメラ技術を採用したほか、専用エクステリアとブルーステッチのインテリアでプレミアム感を強調する。また新たに「AUTECH SPORTS SPEC」を設定。サスペンションやe-4ORCE制御を専用チューニングし、パフォーマンスダンパーとミシュラン「PRIMACY4」を組み合わせることで、安心感あるハンドリングと上質な走りを実現した。
価格と発売時期

全国希望小売価格(税込)は、標準モデルが384万3400円から、上位グレード「G e-4ORCE」が494万6700円まで。「ROCK CREEK」は514万1400円からの設定となる。「AUTECH」は10月1日発売、「ROCK CREEK」は11月下旬発売が予定されている。
今回のマイナーチェンジにより、エクストレイルはより上質で先進的なSUVへと進化した。ファミリーユースに応える3列仕様から、スポーティな「AUTECH SPORTS SPEC」、そしてアウトドア色を強めた「ROCK CREEK」まで、多彩なバリエーションを揃えることで、ユーザーの幅広いライフスタイルに応える布陣が整った。国内SUV市場において、エクストレイルの存在感は一段と強まりそうだ。
