デザインテーマは「かどまる四角」

新型ルークスは、スーパーハイトワゴンという激戦区に投入される戦略的モデルだ。日産と三菱自動車の合弁会社NMKVのマネジメントのもと、日産が企画・開発を担当した。開発責任者は「従来の軽の常識を打ち破り、心にゆとりをもたらす新しい価値を提供する」と語る。

外観は「Roomy×Max」をデザインコンセプトとし、最大限の広さを表現。その中核となるモチーフが「かどまる四角」である。四角形をベースに角を丸めたデザインは、ヘッドライトやリヤランプ、ドアハンドル、ホイールにまで採用され、親しみやすさと遊び心を感じさせる造形にまとめられている。

ボディカラーには日本の伝統建築「唐破風」に着想を得た新しい2トーンが登場。さらに「セラドングリーン」「シナモンラテ」「セトブルー」といった新色も加わり、全17通りのバリエーションを展開する。



室内空間は「Breeze(そよかぜ)」をテーマに革新

インテリアは「Breeze(そよかぜ)」をテーマに据え、リビングのような開放感を追求した。キーワードには「縁側」や「ハンモック」が掲げられ、実際の寸法以上に広く感じられる空間演出を目指している。特に注目は軽自動車として初採用となる12.3インチの統合型インターフェースディスプレイで、先進性と上質感を大きく引き上げている。


室内長は先代比115mm拡大され、クラストップとなる2315mmに達した。後席のニールームは795mmを確保し、子どもが立って着替えられるほどの余裕を実現。荷室も最大長675mmを誇り、48Lスーツケース4個を積載できる実用性を備える。

自由度が高まる!使い勝手を重視した設計
スライドドアは開口幅650mmを確保し、セレナと同等の大型グリップを装備することで、子どもの乗降もスムーズだ。後席は最大320mmのロングスライドが可能で、運転席から子どものケアがしやすく、荷室側からのアクセスも簡単になった。
収納面も刷新され、紙パック対応のカップホルダーやティッシュボックス収納、スマートフォン置き場、蓋付きアッパーボックスなど多彩なスペースを用意している。


エンジンは燃費と静粛性を高め、さらに防音材を適所に配置。車内では外部の騒音を気にせず会話が楽しめる。シートはメランジ生地を採用し、ソファのような柔らかさを演出。後席は接地面の拡大や高密度ウレタンの採用により、振動を抑えて快適性を向上させた。

進化した安全・運転支援機能、コネクティビティの強化

新型ルークスの大きな特徴は、安全装備の充実である。アラウンドビューモニターは「インビジブルフードビュー」「3Dビュー」「フロントワイドビュー」という3つの新機能を備え、死角を効果的にカバーする。
さらに、「プロパイロット」の進化版に加え、歩行者検知機能付きのインテリジェントエマージェンシーブレーキ、軽初のインテリジェントBSI(後側方衝突防止支援)、BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)など、軽自動車として最高レベルの安全技術を搭載した。
NissanConnectインフォテインメントシステムも初搭載。Googleマップやアシスタント、Playストアに対応し、ドライブをシームレスにサポートする。オプションのドライブレコーダーと連携すれば、遠隔地から愛車を見守れる「リモートフォトショット」機能も利用可能だ。
新型ルークスは、軽自動車市場でもっとも競争が激しいスーパーハイトワゴンにおいて、室内空間の拡大と快適性、そして最新の安全・コネクティビティ機能を兼ね備えた一台である。単なる移動手段にとどまらず、日常生活の質を高める存在として大きな注目を集めることは間違いないだろう。