フルリフレッシュの極上ボディにフルチューンVG20ETを搭載!
ハイソカーらしさをキープしつつ29年アップデートを続ける!
後発でありながらハイソカーとしての人気が急上昇していたソアラに対抗すべく、2代目ではV6エンジン搭載の2ドアクーペにモデル展開を絞り込んで新たな出発を図ったF31レパード。人気ドラマ『あぶない刑事』の劇中車に採用されて派手なカーチェイスが繰り広げられていたこともあり、デビューから年数の経過した現在も根強い人気を誇っている。

さて、今回愛車を披露してくれたレパおさむさんも、『あぶない刑事』の影響を強く受けてF31レパードと人生を歩んできたひとりだ。免許を取得して最初に購入したのはAE101トレノだったが、3年目に事故で廃車。家族のクルマを借りて市街地を走っていた時に偶然出会ったのが、ディーラーの片隅に置かれていたF31レパードだった。
「下取り車として入庫したばかりで整備はもちろん、値段さえも決まっていない状態でしたが『あぶない刑事』を見て憧れていたこともあって即決契約。走行距離は5万㎞台だったもののコンディションは中の下といった感じで、当初はチューニングやカスタムというよりもエアコンやオルタネーターなど次々に不調となる車両トラブルとの戦いでしたね」。

とはいえ、根気よくトラブル対策を進めていったこともあり、購入から6年掛かりで愛車のコンディションは大きく向上。モール交換やオールペンも済ませてブーストアップ仕様を快適に楽しんでいたが、次なるチューニングを思案していた矢先に痛恨のエンジンブローが襲いかかってきた。

「ブローしたのは今から21年前の2004年です。VG20ETは生廃パーツが増えていたこと、走行距離が14万km近くになっていたことから乗り換えも考えましたが、ブーストアップでお世話になったフィーストに相談したところ“なんとかするよ”と頼もしい言葉が返ってきたのでエンジン製作をオーダー。生廃となっていたピストンは4A-GZ純正ピストンで代用したり、メタルガスケットをワンオフ製作したりと工夫を凝らして組み上げてもらった2150cc仕様のVG20ETに、TD05Hを組み合わせて、一気にノーマル155psの倍以上となる325ps仕様に進化しました」。

エアフロレスでのパイピングの自由度や排気量に見合うマネージメントを考慮して、F-CON Vプロをチョイス。マフラーは保安基準適合のR31用加工だが、TPOに応じたサウンドとなるように手動バルブも備えている。

VG20ET用に設定されたパーツが少ないため、補機類も流用とワンオフで構築。SR20DE用スロットル、JZX100用ブローオフをワンオフパイピングと組み合わせた。

ちなみに、大幅なパワーアップで音を上げてしまった4速ATは強化して対策した後に、機械式から電子制御化されて強度アップした後期4速ATに換装して強化…と二度のアップデートを重ねている。もともとスープラやMR2が気になっていたことからF31レパードの走りにも拘っていたが、駆動系強化をMT換装で対処するのはハイソカーとしての魅力を失ってしまうと考え、ATを貫いた。


また、引き出したハイパワーが堪能できるように、ブレーキや足回りも入念にセットアップ。1.5tに迫る車重でも安心して制動できる純正流用のブレーキ強化、ストローク時のキャンバー変化が大きいセミトレーリングアーム対策としてリヤのみ減衰力を引き締めた車高調を装備…といった具合に、走らせて物足りなく感じた部分も着々と進化させ、パッケージバランスを高めてきたのだ。

ノーマル然としたスポーティなインテリアをコンセプトに、ブーストメーターやレーダー探知機といった必要最小限の装備を追加。ステアリングはブラックレザー張り替えでコンディションを高めた。

長距離走行での疲労軽減を重視して、運転席にはブラックレザーに張り替えたレカロSP-Gポールポジション、助手席にはランエボⅢ純正レカロをセットする。

「1996年にF31レパードを愛車へ迎え入れて29年、走行距離は23万㎞目前となりますが、今が絶好調の完成形。クルマは走らせてナンボと考えているので、天候に関係なくレパードライフを楽しんでいます。一生手放すことのない、生涯の相棒ですね」。
常に愛車のコンディションに気を配るのはもちろんのこと、万が一に備えてのパーツストックも倉庫2階を埋め尽くす勢いでF31レパードを愛するレパおさむさん。80年代を賑わせたハイソカーは、これからも時の流れを感じさせない勇姿でストリートを駆け抜けていくに違いない。
●取材協力:フィースト 愛媛県伊予郡松前町昌農内25-1 TEL:089-985-0504
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