革新的なビジュアルと環境素材

2026年モデルとして欧州で登場するForza 750は、外装に新たなパールグレアホワイトを採用し、従来のマットバリスティックブラックメタリックやマットウォームアッシュメタリックと共に鮮烈な印象を与える。車体の特徴的なデザインは、デュアルLEDヘッドライトにDRL兼用のウインカーを備えており、灯火による存在感が一段と高まっている。加えて、Durabio™と呼ばれるリサイクル素材やバイオ由来樹脂によるパーツを広く使用し、塗装を不要とすることで環境負荷の低減を図っている。Hondaは2050年までに100%持続可能素材へ移行するという長期戦略を掲げ、その構想に沿った一歩として、このモデルが位置づけられている。
パワフルな走りと洗練されたエンジンメカニズム

Forza 750の心臓部には745ccのSOHC直列2気筒エンジンを採用。最高出力は43.1kW/6,750rpm(35kW/6,000rpm)で、最大トルクは69Nm/4,750rpmを誇る 。2025年モデルでは57.8bhp≒約57.8馬力の出力として報じられたが 、最新スペックにおいても性能は維持または微調整された印象である。トランスミッションはHondaの得意とするDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を搭載し、都市部のストップ&ゴーから高速巡航まで自在に対応。さらにライドバイワイヤ制御による三種のプリセット走行モード(STANDARD, SPORT, RAIN)に加え、ユーザー設定可能な2つのカスタムモードが与えられることで、多様な走行フィーリングに応えている。
快適性と機能性を両立する装備群

ドライビング環境における快適性は、Forza 750が長時間走行を配慮して設計されていることを証明する部分だ。電動調整可能なワイドなスクリーンは角度と高さを120mmの範囲で調節可能とし、ウインドプロテクションと快適な視野の両立を実現する 。車載ディスプレイには5インチのTFTカラー液晶を採用し、スマートフォンとの連携でナビ表示や着信などを車上で確認可能なHonda RoadSyncに対応。USB‑Cポートはハンドル周辺に配置され、充電の利便性が向上した 。車体各部のLEDライトによる明瞭な視認性、スマートキーによるキー不要の操作系、さらにクルーズコントロールも標準搭載され、GTスクーターとしての高次元な居住性と操作性が備わる。
持続可能性に根ざした技術展開

Hondaが掲げる持続可能性へのアプローチは、単に素材の選定に留まらず、長期使用できる構造や環境負荷低減を視野に入れた設計思想にも表れている。Durabio™素材の採用によって塗装工程を省略し、リサイクル可能なプラスチックを使うことで二酸化炭素排出量の低下に貢献。さらに、Forza 750に限らず、同じプラットフォームを共有するX‑ADVにも同様の刷新が施されており、Hondaの持続可能なモビリティ構築への姿勢が明確である 。今回のカラーリフレッシュに伴ってオプションでパッセンバックレストやAkrapovic製スリップオンマフラーを選択できるようになったことは、パフォーマンスと個性を両立させたいライダーへ向けた配慮でもある 。
新たなForza 750 YM2026は、スタイリング、パフォーマンス、利便性、そして環境対応という多方面で進化を果たし、GTスクーターとしての完成度をさらに高めている。日常の都市走行からツーリングまで、あらゆるライドシーンでその実力を体感できる存在として、長く乗り継ぎたくなる魅力を備えた一台といえる。
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