内燃式カイエンの中で最もパワフルなターボEハイブリッドの739PS/544kWを上回るスペックに

ポルシェが現在開発終盤とみられる、電動クーペSUV「カイエン クーペEV」市販型の最新プロトタイプを、ほぼカモフラージュされていない状態で撮影することができた。

ポルシェ カイエンクーペ EV プロトタイプ スパイショット

電気自動車のポルシェ・カイエンは、発表準備が間近に迫っており、ポルシェはいくつかの公開イベントでカモフラージュされたプロトタイプを公開している。最近では、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでの丘登り走行で、1000馬力に達する可能性があることが明らかになった。

ポルシェ カイエンクーペ EV プロトタイプ スパイショット

しかし、この最新プロトタイプは、新型EVの最も意外な特徴のひとつを際立たせている。

カイエン クーペの基本は、電気自動車に移行してもそのままだ。フロントバンパーからAピラーまでは標準的なカイエン・エレクトリックだが、そこから先はクーペらしさが際立つ。流線型のボディワークは、巨大なカイエンSUVのように高くタイトではない。その代わりに、よりスタイリッシュなテールへと落とし込まれている。

クロスオーバークーペのボディスタイルがすべての人に好まれるわけではない。よりスタイリッシュにすることで、クロスオーバーデザインの大きなメリットの一つであるラゲッジスペースが損なわれてしまうから、それは当然のことだ。

それはさておき、クーペスタイルは電気SUVとしては客観的に見て優れている。より滑らかなルーフラインは効率性が高く、それは航続距離の延長を意味する。例えば、アウディQ6 e-tronは、スポーツバックモデルとしてSUVよりも航続距離が4%長くなっている。これはフル充電で12マイル(約20km)も走行できる距離であり、かなり大きなメリットと言えるだろう。

今回最も我々を驚かせたのは、左右リヤフェンダーのスリムなエアベントだ。確かに本物に見えるが、ダミーである可能性もある。100%確信しているわけではないが、写真を見る限りは本物と見ていいだろう。

通気口の設置理由はふたつ考えられる。ひとつ目は、リヤアーチから空気を排出することで空気抵抗を軽減するためだ。ふたつ目は、この高性能モンスターのリヤモーター冷却を助けるためだが、その両方の組み合わせかもしれない。

ノーズは、マカンに非常に似ているが、サイズが大きく、非常に目立つフロントスプリッターを装備している。

後部では、リヤサイドウィンドウの処理を依然としてステッカーやテープで隠しており、その下にはサプライズデザインがあるのかもしれない。また、ブロックLEDテールライトもまだ隠されているが、デザインの大部分ははっきりと確認できる。

リヤでもうひとつ紛らわしいディテールは、バンパー下の小さなリップだ。バンパーはディフューザーのように見えるが、実際にはその下にも小さなリップがある。この正体は不明だが、リヤディフューザーは単なる飾り、あるいは突き出たバンパーを目立たなくするためのスペースを作るためのもののように見える。

カイエンEVのパワートレインだが、EVのトラックモードでは合成音が内燃式V8エンジンに少し似ていると言われており、出力は内燃式カイエンの中で最もパワフルなターボEハイブリッドの739PS/544kWを上回ることがわかっている。また特別な機能として、優れたドライビングダイナミクスと乗り心地を実現するポルシェ・アクティブライドが搭載される。

新型カイエン EVの正式発表は今年後半と予想され、クーペバージョンは数ヶ月後に続く見込みだ。その後、ポルシェは新型カイエンのガソリン車バージョンの開発を検討していると言われているが、現行の専用プラットフォームをベースにしたモデル刷新を計画している可能性もある。