目指すは往年のN2仕様を彷彿とさせるスタイル!?

200ps超えスペックを狙い、WTAC参戦も視野に!

ジムニーでのサーキットアタックに挑み続けてきたレインボーオート。毎年恒例の「ジムニースーパーラップ」は大盛況、筑波Attackにも参戦するなど、挑戦的な活動でファンを魅了してきた。

そんな同店の看板マシン「キャンディー」が、ついに大幅アップデートに着手。その現場を訪ねると、すでにドアやガラスが外され、エンジンが載ったシャーシが作業場に置かれていた。

「日光サーキットでテスト走行したら、パワーを抑えている状態でも44秒7が出たんです。そこでさらにタイムを狙って攻めたら…シフトミスから裏ストレートで大クラッシュしてしまいました」と語るのは、代表の“横ヒレ”こと横尾さん。

幸いエンジンやミッションは無事だったが、ボディは全損級。もともと腐食が進んでいたこともあり、この機会に“ハコ替え”と同時に徹底的なアップデートに踏み切ったという。

「新しいベースは、お客さんから買い取っていたJB23の9型。リセットできたことで、経験と技術を総動員して“本気の1台”を作れるチャンスになりました。イメージはAE86でいうN2仕様。基本パッケージはそのままに、やれることは全部やりますよ!」。

K6Aをベースに200馬力オーバーを狙う!

エンジンはキャンディーから移植したK6Aをベースに、可変バルタイ化や最新タービンで大幅強化。最高出力は190〜200psをターゲットとし、従来のTD035に代えてギャレット製ボールベアリングタービンを投入。さらにワゴンR NA用の可変バルタイ付きヘッドを組み合わせ、将来的にはNOSの導入も視野に入れる。

制御はLINKフルコン。配線やスイッチ類はPDMを介して一元管理し、アルミプレートに美しくレイアウト。エンジンルームの仕上がりにも一切の妥協はない。

ボディは徹底的に軽量化&剛性アップ

フロントはセミパイプフレーム化を予定。鉄製のインナーフェンダーはすべて撤去し、補強バーをバルクヘッド貫通させる加工も進む。ロールバーはピラー溶接留め、さらにフロアへパネルボンド補強を施すことで剛性を確保する。

ミッションはクワイフ製シーケンシャルドグを採用。大胆な軽量化も同時進行しており、従来980kgあった車重は900kg以下を目標とする。トランクには安全タンクを設置し、前後重量配分を補正するためリヤラジエター化も検討中だ。

外板はFRPやカーボンを多用。軽量化による車高変化を補うため、リヤスプリングの土台を80mmかさ上げし、アジャスターを組み込んで最適な車高を実現する。

車名は「N2」へ──そしてWTACへ

「ボディが変わったので、名前も“キャンディー”から“N2”に変えます。徹底的にやり切りますよ。9月末のシェイクダウンを目標にしていますし、将来的にはオーストラリアのWTACにも挑戦したいと思っています(笑)」と横尾さん。

常識を覆すチューンでジムニーワールドを牽引してきたレインボーオート。新たなデモカー「N2」が完成すれば、再び大きな旋風を巻き起こすことは間違いない。

●取材協力:レインボーオート 千葉県柏市酒井根688-2 TEL:04-7176-8207

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