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梅本まどかのラリー日記

XCRスプリントカップ ラリーカムイに挑戦しました!

CUSCO YHジオランダーHILUX(PHOTO:CUSCO RACING)

7月4~6日に北海道ニセコ町を中心に開催された2025 JAF全日本ラリー選手権第5戦「2025 ARKラリー・カムイ」に参戦させていただきました。このラウンドで参戦したのは、全日本ラリー選手権に併催された「XCRスプリントカップ北海道 第3戦」のXC-2クラスです。
※XCR=クロスカントリーラリー(Cross Country Rally)

全日本戦と同じステージを走るこのラリー・カムイと次戦のラリーHOKKAIDO(2025年9月5~7日)は 、全6戦あるXCRスプリントカップ北海道の中では距離が長く、特別感のあるラウンドです。

結果は…優勝することができました!

優勝しました!(PHOTO:CUSCO RACING)

ドライバーは番場彬選手、チームはCUSCO RACINGと2024年と同じ体制

今年はマシンもペアもタイヤも全く同じ。CUSCO RACINGから番場彬選手とゼッケン61 「CUSCO YHジオランダー HILUX」で参戦です。去年の2024年、このカムイでXCRスプリントカップデビューした私にとっては2回目となるラウンドになります。去年は初めての英語のノートにプラス、初ハイラックスということで緊張していましたが、今年2025年は2年目なので少し気持ちにゆとりを持って現地入り。それでも久しぶりのXCRスプリントカップなので程よい緊張感の中、今年は“チャンピオン”をとることが目標なので「しっかりポイントをとらなくては!」と意気込んでいました。

参加者のみんなと!

このXCRスプリントカップ北海道の同じクラスXC-2クラスには、ジャーナリストの竹岡圭さんやD1で活躍されている川畑真人選手もいます。今年のカムイにはダカール・ラリーで活躍されている三浦昂選手も参戦! そんな強豪ぞろいのXC-2クラスは7台での戦いとなりました。

【2025 ARKラリー・カムイ XC-2クラス エントリーリスト】
(カーNo. ドライバー/コ・ドライバー 参加車両名 参加者)
61 番場 彬/梅本まどか CUSCO YHジオランダーHILUX CUSCO RACING
62 浅井明幸/古川和樹 TY北海道三菱エクリプスクロスPHEV 浅井明幸
63 羽根田 琴/星野 杏 CUSCO ダンロップHILUXレボ CUSCO RACING
64 三浦 昂/羽琉 K-one TOYO ATランクル250 K-one Racing Team
65 竹岡 圭/山田政樹 圭rp×TOYOTIRE×三菱トライトン KEIrallyproject
66 川畑真人/中谷 篤 FLEX翔 TOYOTIRESトライトン FLEX SHOW AIKAWA Racing
67 橘 礼太/渡邊雄矢 ソーダF YHジオランダーHILUX 橘 礼太

私にとっては2回目のカムイ。SS(スペシャルステージ)もリエゾン(移動区間)も比較的同じ道が多くルートにも慣れているので、ラリー前の準備でレッキの日は少し楽ができた感覚はあったのですが、いざラリーが始まってみるといろいろなトラブルが!! 初めてのこと尽くしで、私にとっては思い出に残る1戦になりました。

ヤバい! オフィシャル発表のタイムと違う!?

今回のラリー・カムイのSSがコチラ。

★Leg1(土曜日)
SS1 STREAM 11.04km
SS2 ORCHID SHORT 12.55km
SS3 KNOLL 7.77km
SS4 NEW SENMU 0.33km
SS5 STREAM 11.04km
SS6 ORCHID SHORT 12.55km
SS7 KNOLL 7.77km

★Leg2(日曜日)
SS8 SUN FLOWER 16.01km
SS9 NEW SUNRISE 3.65km
SS10 SUN FLOWER 16.01km
SS11 NEW SUNRISE 3.65km

というスケジュール。土曜日の1本目でライバルたちの走りとの比較をし、攻めたり抑えたり調整が入るので、SS1のSTREAM 11.04kmは大事な1本になります。私たちのハイラックスは基本的に去年と同じ仕様ですが、ライバルたちは明らかにグレードアップしている車両もあれば、初めてこのクラスに出る選手もいるので楽しみでもあり、緊張した場面でもありました。

1本目を走ってみると1位♪ 2位とは15.3秒差。凄く余裕があるわけではないですが、コンスタントに走れば優勝できるぞ!と気合いが入ります。

SS2もその調子で走ってフィニッシュ。タイムも悪くなくSS3に向かうと…あれ、速報とSS2の実際のタイムが違っていたので、チームとオフィシャルに連絡。

SS前の準備している様子

実は、私たちの走る順番はXCRスプリントカップ北海道の1号車目で、その前は全日本ラリーのオープンクラス。全日本ラリー車両は1分間隔でスタートしていきますが、私たちはスタートする間を3分空けていたのです。オープンクラスに比べて私たちの車両は速いので、他の全日本ラリー車両と同じように1分間隔でスタートすると、長い距離を走る時に追いついてしまい、自分のペースで走れなくなってしまうことも! また、トラブルがあってスタートが遅れる時も3分空けて欲しいとオフィシャルさんに伝えないといけないのです。

SS2では実際にそんな場面もあり、オフィシャルさんに話して3分空けてもらっていたのですが、速報結果のみ3分空けた分が自分たちのタイムにプラスされてUPされてしまっていたのです。

ここで、コ・ドライバーのお仕事が発生します。オフィシャルさんに電話をし、間違っていることの報告をするのです。コ・ドライバーが持っているタイムカードに書かれるタイムが違ったら、その場でオフィシャルに抗議するのもコ・ドライバーの仕事ですが、今回タイムカードは合っていたのでそれを証拠として写真を撮り、オフィシャル側にそのことも伝えます。

これで修正されれば一安心なのですが、中々タイム修正がされません。とりあえずこの日走り切り、翌日のスタートリストに修正が反映されていれば問題なしなので、競技を進めていきます。

初めてのハイラックスのタイヤ交換

そんな中、SS4でトラブル発生。ここは0.33kmと距離が短く、またメディアの数も多いギャラリーSSになっています。パイロンを2周回るコースなのですが、1周回りあと1周と思っていたところで「あ、やばい。パンクした!」と番場選手からの声が。そこからスローダウンしてもう1周。距離も短かったのでなんとかゴールをしたものの、サービスパークまでは距離があるので、ここで初めてハイラックスのタイヤ交換です。

リム落ちしたタイヤ…!

去年ハイラックスに乗ることが決まった時にタイヤ交換の練習をしていたのですが、それから約1年ぶり。ギャラリーステージだったこともあり、応援してくれている女の子もかけつけタイヤ交換を見守ってくれました!

なんとかスムーズに交換でき、ペナルティをもらうことなく余裕を持ってサービスパークに到着。初めて実戦でのハイラックスのタイヤ交換。やはり重たかったのですが、1年前の練習のおかげで持ち方など意識してしっかり運べたのはよかったです。やっぱりラリーは準備が大切だなと改めて感じた瞬間でした。

それからは余裕を持ってステージを進むことができ、土曜日はクラストップで終えられました。ですが、まだリザルトの修正ができておらずスタートリストはクラス2番手に。

やっぱりチームの仲間との交流が大事

私たちのCUSCO Racing、今年のカムイには全日本戦とXCRスプリントカップ合わせて8台がエントリー。コ・ドライバーの先輩方もモリゾウチャレンジカップに参戦しているので、顔を合わせたときには「調子はどう?」などと声をかけてくださいます。

これがエンクワイアリーシートです

土曜日の夜、スタートリストを見て「今日何かあった?」と心配して藤田めぐみ選手と加勢直毅選手から連絡をもらいました。お二人からアドバイスをいただき、加勢選手には“エンクワイアリーシート”の書き方を教えていただきました。エンクワイアリーシートとは、選手やチームからオフィシャル側に修正やお願い、抗議を出す時に書く書類です。今まで見てはいても実際に書いたことがなく、事由の書き方に悩み相談にのってもらいました。

翌朝、スタートする前にHQ(ヘッドクォーター/本部)に提出しに行き、無事修正してもらえたのですが、コ・ドライバーとして電話をして伝えたことはあっても書面で提出は中々ないので、とても貴重な経験ができました。

みんなで疲れた~!と言いながら語り合っています

実は土曜日はそれだけでなく、XCRスプリントカップのみなのですが、クルマを使わずに徒歩でタイムコントロールまで行かなくてはいけない事態も発生。ホントにいろいろな事が起こったのですが、他の選手たちと一緒に歩いたので交流が広がり、お話できたことは貴重な時間でした。上り坂があったので少し疲れましたが、みんなと一緒だったので今となってはいい思い出です。

後ろからのクルマを通すために避けています

他の選手との思い出をもうひとつ。
XCRスプリントカップはハイラックスやトライトン、エクリプスクロスなど大きい車両が多いのですが、写真を見てもらうと分かるように、SS前の道幅は狭く車両の幅に少しゆとりがあるくらい。私たちも日曜日に車両から異音がした際にギリギリで左寄せに止めたりしたとき、後続車両が通れるようにみんなで協力して、もっと寄せたり指示を出したり。ライバルではありますが、こうした連携プレーはタイムアタック競技ならではの雰囲気だなと感じました。

次は9月6~7日のラリー北海道!

少し話が逸れましたが、トラブルはあったものの、精神的な余裕をもった状態でこのラリーカムイも優勝することができました! 2年目の今回はチームの先輩方にも助けられ、一緒に戦うXCRスプリントカップの皆さんともライバルとしてではありますがいい関係ができ、改めてこうした環境で参戦できることへの有り難みを感じました。

サービスの時間。メカニックさん、ありがとうございます!

また、トラブルがあったことで、今回はメカニックさんとも今までで1番多く連絡をとっていたと思います。しっかりゴールできるようにチェックして直してくださったり、感謝です。

XCRスプリントカップ北海道は全6戦なので、このラリーカムイで前半が終了。番場選手は全勝しているので次戦のラリー北海道で優勝すればほぼチャンピオンが確実となります!

ラリーカムイの表彰式で番場彬選手をパシャリ

私は1戦お休みしたのでまだまだですが、今年はシリーズチャンピオンが目標なので気を引き締めて挑みますよ!!

次戦のラリー北海道は9月6~7日。なんとラリー北海道はXC-2クラスの参戦台数が12台! めちゃくちゃ増えてバトルも激しくなりそうな予感がしています。私たちのゼッケンは115。番場選手とチームのみんなと力を合わせて優勝を目指します。

次戦も頑張ります!!!

【2025 ARKラリー・カムイ XC-2クラス リザルト】
(順位 カーNo. ドライバー/コ・ドライバー 参加車両名 タイム タイム差)
1位 61 番場 彬/梅本まどか CUSCO YHジオランダーHILUX 1:28:50.2
2位 62 浅井明幸/古川和樹 TY北海道三菱エクリプスクロスPHEV 1:34:42.8 +5:52.6
3位 63 羽根田 琴/星野 杏 CUSCO ダンロップHILUXレボ 1:36:53.8 +8:03.6
4位 65 竹岡 圭/山田政樹 圭rp×TOYOTIRE×三菱トライトン1:37:15.3 +8:25.1
5位 66 川畑真人/中谷 篤 FLEX翔 TOYOTIRESトライトン 1:40:03.8 +11:13.6
6位 64 三浦 昂/羽琉 K-one TOYO ATランクル250 K 1:42:37.9 +13:47.7
7位 67 橘 礼太/渡邊雄矢 ソーダF YHジオランダーHILUX 1:45:45.3 +16:55.1

CUSCO YHジオランダーHILUX(PHOTO:CUSCO RACING)

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