業界人コラム レーザー兵器で弾道ミサイルを撃墜!?「ミサイル対処用レーザーシステム」とは…【写真・4枚目】 防衛装備庁のもとで高出力レーザーシステムの開発を続けている日本。次の狙いは「ミサイルの迎撃」!? 写真は100キロワット級レーザーシステム(写真/防衛装備庁) 昨年公開された10キロワット級レーザーを装備する「車両搭載高出力レーザ実証装置」。小型のホビードローンへの迎撃を目的としている(写真/防衛装備庁) アメリカ軍の「指向性エネルギー兵器ロードマップ」。100キロワット以下の「戦術用途:対無人機・ロケット弾・砲弾」、200~500キロワットの「戦術用途:対-対艦ミサイル・対地巡航ミサイル・航空機」、メガワット級の「戦略用途:対弾道弾・極超音速兵器」の三段階を記している。 念のため、弾道弾(弾道ミサイル)と巡航ミサイルについての基本的な解説をしておこう。まず、巡航ミサイルとは、エンジンと翼によって大気圏内を長距離水平飛行するミサイルで、たいていは亜音速で飛行する。発見さえできれば、迎撃はそれほど難しくない。 次に、弾道弾(弾道ミサイル)とは、ロケットによって宇宙空間に打ち上げられたのち、慣性によって落下してくるミサイルだ。落下速度がマッハ5~16に達するため、迎撃はとても難しい。さらに極超音速兵器は、最近登場した新型長距離兵器で、文字通り極超音速(マッハ5以上)で既存の迎撃ミサイルが対処しにくい高度・軌道を飛翔する。メガワット級レーザーが狙っているのは、この迎撃が難しい相手なのだ。 アメリカ海軍は60キロワット級で対ドローン用の「HELIOS(光学式眩惑・観測統合型高出力レーザー)」を一部の艦艇に搭載している。また、対艦ミサイルへの迎撃も可能な300キロワット級の開発も進めている(写真/アメリカ海軍) 防衛装備庁が以前より公開していた「高出力レーザのロードマップ」。そこには「ミサイル対処用レーザ装置」も含まれていたのだが、まさかメガワット級とは驚きだ(図/防衛装備庁) この画像の記事を読む