600ps以上を発生し内燃機関搭載の兄弟車を大きく凌駕

Vision Neue Klasse Xコンセプトのスタイリングを忠実に再現した実車は、シャークノーズのようなフロントエンドと、多数のLEDを配している。ヘッドライトの新しいLEDデイタイムランニングライトに加え、BMWはキドニーライトと、とヘッドライトをつなぐパネルにもLEDを採用した。これら全てを合わせると、非常に印象的なデザインと言えるだろう。

BMW iX3 ティザーイメージ
BMW iX3 ティザーイメージ

コンセプトカーとは異なり、BMWの待望のモデルには、ビデオカメラの代わりに、従来のサイドミラーが搭載されている。シンプルなミラーへの切り替えは、特に連邦自動車安全基準111が軽自動車、ユーティリティービークル、トラックに従来型のミラーを義務付けていることを考えると、当然といえる。ただし、ビデオカメラはヨーロッパやその他の一部の市場で提供される可能性があるだろう。

フロントエンドのスタイリングがコンセプトカーと非常に似ていることから、BMWは量産と実用化に合わせてリアエンドに若干の変更を加えた可能性がる。一方、インテリアはよりベーシックなものになると思われる。しかし、この場合のベーシックとは、他のコックピットよりもはるかにワイルドなことを意味する。

インテリアでは、「BMW Panoramic iDrive」と「BMW Operating System X」が、大きな変更点のリストの冒頭に挙げられる。 iDriveコントローラーがないのは残念だが、購入を検討している顧客は、3つのセクションに分かれたピラー・トゥ・ピラー・プロジェクション・システムを期待していいだろう。運転席正面のセクションはインストルメントクラスター、中央と助手席のセクションはカスタマイズ可能な情報表示用だ。

また、空気質測定、コンパス、AIドライバーアシスタント、Spotifyなど、様々な機能が搭載されている。BMWはさらに、3Dヘッドアップディスプレイと、あらゆるインフォテインメント機能を備えた大型タッチスクリーンを搭載すると発表した。Vision Neue Klasse Xコンセプトでは、タッチスクリーンディスプレイの対角サイズは17.9インチとなっている。

ノイエ・クラッセ・プラットフォームをベースにしたiX3には、シングルモーターと、ツインモーターのセットアップが用意されている。BMWはまず、50 xDriveと呼ばれるデュアルモーター仕様を発表した。このクルマは、WLTPモードで最大800km、EPAのより現実的な航続距離テストでは約400マイル(約640km)という、かなり印象的な数値を実現している。

iX3の800ボルト電気アーキテクチャは、最大400kWの充電電力を可能にし、わずかWLTPモードでは、10分の充電で350km以上の航続距離を実現する。少し遅れて発売されるiX3 M60 xDriveは、クランク定格出力393psのX3 M50i xDriveに対して600ps以上を発生し、内燃機関搭載の兄弟車を大きく凌駕すると考えられている。