年々変わるオールシーズンタイヤへのユーザーニーズとは?

オールシーズンタイヤの新作「MICHELIN CROSSCLIMATE 3」

非降雪地域において年々存在感を増しているのが、雪道も走れるオールシーズンタイヤだ。各メーカーも注力していて、ミシュランから新たに「MICHELIN CROSSCLIMATE 3(ミシュラン・クロスクライメート・スリー)」、「MICHELIN CROSSCLIMATE 3 SPORT (ミシュラン・クロスクライメート・スリー・スポーツ)」が登場した。

ここでは、国産、輸入車を問わず、コンパクトカーやセダン、SUVやミニバンなどのほか、EVにも対応する「クロスクライメート3」をピックアップする。

コンパクトカーからミニバン、ガソリン車、ハイブリッド車、EVまで幅広い車種に対応する

日本の降雪地域はスタッドレスタイヤが必須だが、年に数回降る程度の非降雪地域では、夏タイヤから冬タイヤ(逆もあり)への履き替え、タイヤの保管場所などに頭を悩ましている方もいるだろう。

「雪が降れば乗らない」という選択をできる人なら割り切ることもできるが、そうでないケースもある。そんな中、認知度を高めているのがオールシーズンタイヤで、欧州ではウインタータイヤとして急速に普及している。

「クロスクライメート」シリーズは、夏タイヤと遜色のない通常路面のドライ、ウェット性能を確保しつつ、「スノーフレークマーク」が刻印されていて、高速道路の冬タイヤ規制でも走行できる。冬季路面は、シャーベット、圧雪路に対応し、ほかのオールシーズンタイヤと同様に、凍結路での走行は不可(推奨されていない)。

コンパウンドは踏襲しつつもセンターグルーブを新採用

Vシェイプトレッドパターンを採用

2025年10月1日から順次発売される「クロスクライメート3」は、「クロスクライメート2」からの進化版。コンパウンドは基本的に踏襲するものの、耐摩耗性(大幅に)、静粛性、ウェット性能、スノー性能、低燃費性能を向上させた。「クロスクライメート」シリーズ初の転がり抵抗ラベリング「AA」を獲得している。

ミシュランによると、オールシーズンタイヤのユーザーニーズは、2021年の調査で最も高かったのは「非積雪路でのグリップ(ウェット/ドライ)」。続いて「積雪路面での走行性能」となっていた。

2024年は、「快適性(乗り心地)」が1位、「非積雪路でのグリップ(ウェット/ドライ)」が2位となっている。

快適性重視にニーズが変わったのは、降雪路での安全性能の信頼性能が高まったことなどと同社は分析している。それに加えて、オールシーズンタイヤ装着時の大半が非降雪時ということもあるだろう。また、オールシーズンタイヤを一度装着すれば、ロングライフ性能や燃費性能も気になってくる。

既述のように性能をまんべんなく引き上げた「クロスクライメート3」は、排水性、排雪性を向上させるべくセンターグルーブの「Vシェイプ・テクノロジー」を新たに採用。

センターグルーブの「Vシェイ・プテクノロジー」を新採用

静粛性の向上には、サイズの異なるブロックを最適配置する「ピアノ・アコースティック・チューニング・テクノロジー」が寄与していて、不快な周波数帯のノイズを効果的に削減。耐摩耗性を高めるのが、「マックスタッチ・コンストラクション」。トレッド面の接地圧分布均一化により接地面が安定するという。

深みのある上質な黒さを追求した「プレミアムタッチ」を18インチ以上に採用した

サイドウォールのデザイン性、質感向上も盛り込まれている。近年のミシュランが採用している「プレミアムタッチ」を18インチ以上に用意。サイドウォールのブランドと商品のロゴなどがより黒く、引き締まって見える手法で、サイドウォール部の金属表面の特殊造形により、光の反射量を抑えることで深みのある上質な黒さを表現している。

発売時のサイズラインナップは、16〜20インチ。タイヤ幅は195〜285。扁平率は35〜65となっている。「クロスクライメート2」は、15インチや21インチも展開されていた。なお、サイズ展開は、主力市場である欧州のニーズからまず対応していることもあり、日本市場に多いサイズの追加は、今後に期待できるはずだ。