当時の雰囲気を壊さず、現代スペックにリファイン

2度目のワンダーライフは“当時感”重視のストリート仕様で!

白黒ツートンのボディにロールケージやRSワタナベのエイトスポークを装着し、ひと目で80年代を駆け抜けた“あの頃の姿”が甦るワンダーシビック。ヘッドライトやテールレンズをあえて低グレード用に置き換え、足まわりにはコイルオーバーやピロアッパーマウントを採用するなど、細部で走りを引き締めながらも“当時感”を最優先に仕上げられている。

オーナーの小林さんは、免許を取る前から「格好良さと女の子受け」を基準に愛車候補をシビック一択に絞っていた。当時はちょうどグランドシビックへのモデルチェンジ直後で、周囲が続々と新型へ乗り換えるなか、あえてEF3を新車購入し、ストリートからサーキットまで幅広く楽しんでいたという。

その後はBNR32、EK9、CP9A、さらにはローライダーと時代のトレンドを追って乗り継いできたが、友人に頼まれてシビックを探していた20年前、奇跡ともいえる走行1万7000km・フルノーマルのワンダーシビックに出会い、迷わず“2度目のシビックライフ”をスタートさせた。

「シビックだから走りも楽しみたい」と、部品取りのレースカーやチューニングパーツを集めてサーキットにも持ち込んだが、フロントバンパーを破損したのを機に方向転換。補修が難しい希少車であることを考慮し、“乗れば80年代が甦る”をテーマにストリート仕様として育てている。

エンジンは無限EXマニとHKSハイカムを組み込んだZCユニットをベースに、アスランで現車セッティングを実施。トランスミッションには無限LSDを組み込み、さらに太径のEK9用シフトリンケージを加工して装着。操作位置を手前に寄せ、扱いやすさと快適性を高めている。

足まわりは、フロントが希少な無限トーションバーとBCレーシングのコイルオーバー車高調を組み合わせた仕様。ブレーキはEF3純正をベースに強化済みだ。

ドラムブレーキのリヤは、クイントインテグラGSiから流用してディスク化。雰囲気を壊さずに現代的なスペックへと進化させている。

さらに、サンルーフ車特有の低いルーフ高に合わせて製作した8点式ロールケージを装着。シートはレカロSP-G、メーターは電動ファンコントロール機能付きのモデルを投入するなど、目に見えない部分まで抜かりなく作り込まれている。

23Lテールレンズの流用によってバックランプ4灯仕様となったリアゲートを開けると、当時は存在しなかったリアのピロアッパーマウントが姿を見せる。シフトリンケージと同様、見えない部分での進化も随所に施されている。

なお、小林さんはスポーツ走行用としてEK9も増車。現在はマイペースにワンダーを楽しんでおり、走行距離はいまだ3万4000kmにとどまる。コンディション維持を第一に心掛けているため、このワンダーシビックはこれからも“80年代ライトウェイトFFの象徴”として後世へと受け継がれていくことだろう。

●取材協力:アスラン 大阪府堺市南区別所238-2 TEL:072-349-4880

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