MINI JCW「ザ・スケッグ」

2台のコンセプトカーはともにMINI JCWをベース車両にしている。1台目は最大190kW/258PSの電動MINI JCW、2台目は170kW/231PSの内燃機関搭載MINI JCWモデルだ。各車両のルーフには大きな白い「X」が配置され、MINI JCWとDEUSによる共同創造プロセスが表現されている。
電動コンセプトモデル「ザ・スケッグ」は、サーフィンの世界からインスピレーションを得ている。ボディワークは鮮やかなイエロー&シルバー仕上げ。ワイドフェンダー、イルミネーション付きフロントグリル、ルーフスポイラーがシルエットを鋭く際立たせ、半透明のファイバーグラスパネルは車体重量を15%削減し、空力性能を洗練させている。リヤには、サーフボードが波の輪郭に乗るように気流に反応するフレックス・ティップ・サーフスポイラーを配置。その形状はボードの凹面から着想を得てデザインを機能に昇華させている。
車内ではアナログ式コントロールが最小限に絞り込まれており、洗練さよりも実用性を優先するサーフカルチャーが体現されている。移動式サーフショップを連想させるウェットスーツ用グラスファイバー製トレイが搭載され、実用的な収納を提供し、サーフカルチャーを車内に取り込んでいる。さらに、軽量レーシングバケットシートのネオプレーン張地、グラスファイバー製ダッシュボードが盛り込まれている。
MINI JCW「ザ・マキナ」

内燃機関コンセプトモデル「ザ・マキナ」は、生々しいメカニズムとモータースポーツの血統を凝縮したモデルだ。エクステリアデザインはMINIブランドのモータースポーツの遺産へのオマージュで構成されている。赤・白・黒のボディカラーに大胆なアクセント、クラシックなワイドフェンダーはレーシングの伝統を継承。ボンネットに追加された4基のヘッドライトはラリースポーツのルーツを称えている。リアのディフューザーは、伝説のノルトシュライフェを駆け抜けたMINI JCWレースカーから着想を得ている。フロントには専用グリルとパーフォレイテッド加工のヘッドライトサラウンドが冷却性能を向上。
インテリアは赤・白・黒の配色が力強く主張する。5点式レーシングハーネス、露出したロールケージがモータースポーツにおけるパフォーマンス性能を感じさせる。素地のアルミニウム製フロアプレートは単なるグリップ力を向上させる以上の役割を果たす。。大胆な白の「X」モチーフが刻まれた簡素なドアパネルから、ワックス加工されたファブリックダッシュボードまで、あらゆる箇所で軽量化が施されている。一方でトグルスイッチは古典的要素として残されている。代表例が大型レバーを備えた油圧式ハンドブレーキ。ドライバーと車両を直接繋ぐ存在として、精密さと制御へのこだわりが体現されている。
