
第3世代BMW燃料電池システムは、BMWグループとトヨタ自動車によって共同開発されている。この連携により、中核となる燃料電池技術が商用車と乗用車の両分野でシナジー効果を生み出している。第3世代では、燃料電池システムの占有スペースを約25%削減。出力密度の大幅な向上により、前世代比でよりコンパクトな構造が実現されている。さらに、車両アーキテクチャへの統合性、効率性、駆動技術などを効率化することにより、航続距離と出力の向上、およびエネルギー消費量の低減が同時に実現され、第2世代から大幅な改善が図られている。
BMWグループは、ミュンヘンにある水素技術専門センターで高効率燃料電池システムのプロトタイプを開発している。燃料電池内では電気化学反応が発生し、タンクからの水素と空気中の酸素が反応することで、生成された電力が電動モーターを駆動し、車両にエネルギーを供給する。燃料電池本体だけでなく、これには冷却システム、水素・空気サブシステムといったコンポーネントシステムにより、ドライブトレイン全体がBMWが誇る性能と安全性が実現されている。
プロトタイプ生産は現在、組立・試験プロセスの開発と検証に重点を置いており、特に長期的な工業化、品質保証、拡張性に注力している。これと並行して、プロトタイプは運転戦略の開発と、システムレベルおよび車両レベルでの検証に活用されている。燃料電池システムの生産は2028年にBMWグループシュタイアー工場で開始される予定だ。
