テスラ モデル Y 6人乗りLWB プロトタイプ スパイショット

先月、中国でロングホイールベース(以下、LWB)版のモデルYがリークされたが、その際に公開されたのはわずか数枚の限られたアングルの写真だけだった。今回撮影されたものは、軽いカモフラージュのみをまとい、ほぼあらゆる角度からLWB版モデルYの姿を捉えている。

テスラ モデル Y 6人乗りLWB プロトタイプ スパイショット

LWB版モデルYは、後部座席のスペースを重視する、それほど小さくないニッチ市場をターゲットにしている。

量産型LWBは標準モデルよりホイールベースが5.9インチ長くなり、119.7インチ(約293.3cm)に達する。全長も標準ホイールベース仕様より7.3インチ(約18cm)長くなり、前席後方には広々としたスペースが確保されている。

エクステリアについては、リヤドアがわずかに延長され、ルーフも少し持ち上げられている。全長が伸びたにもかかわらず、リヤドアはホイールアーチに接しておらず、その間に小さなボディワークが設けられているのが特徴だ。

画像を見ると、テスラはリヤドアハンドルの直前から偽装ラッピングを施しており、何らかの変更があることがうかがえる。ノーズ部分も偽装されているが、見える範囲では、他のジュニパーのリフレッシュ版モデルYと同じデザインであることが確認できる。

このプロトタイプはドイツ・ニュルブルクリンクで目撃されたため、当初は新型モデルYのパフォーマンスモデルだと思われた。しかし詳細に観察するとそうではなく、特にサーキット走行向けのタイヤではなく、日常使用向けのContinental EcoContact 7Sが装着されている点がそれを示している。

自動車メーカーがサーキットで標準モデルのテストを行なうのは決して珍しいことではない。一般道と共通する特性を多く持つニュルブルクリンクは、ダイナミクステストにも最適のコースとされている。また、業界イベント時にはクローズドコースとなるため、テストドライバーは安定した走行が可能で、対向車を気にする必要もない。

LWB版は中国市場を主なターゲットとしているが、米国での販売の可能性も取り沙汰されている。これまでテスラはモデルYに3列シートをオプションで用意してきたが、そのサイズは非常に小さく、人が快適に座れるというよりは、1990年代のコンパクトピックアップトラックの後部座席に近い狭さだった。

しかしキャビンが7インチ(約18cm)広くなれば、モデルYの3列シートはアメリカ人サイズの子どもや、以前より背の高い大人でも実用的に使えるようになることだろう。

テスラはLWB版の米国導入を正式発表していないが、販売不振に直面する中でショールームへの集客策として検討している可能性が高い。今回のドイツでのテスト走行も、その噂を裏付ける材料と見られている。

中国では今年後半に生産が始まる見込みで、日本市場への導入も注目されるところだ。