スクープ班のカメラは今回、DSオートモービルのフラッグシップ、次期型DS7のプロトタイプを初めて捉えた。

DS7 次期型 プロトタイプ スパイショット

DS7は、長年にわたりDSオートモービルズのラインナップの要であり、今回の刷新はDSオートモービルにとって重要な節目となるはずだ。この第2世代クロスオーバーはステランティスの最新技術を搭載し、今後数ヶ月以内にフルモデルチェンジしてデビュー予定となっている。

DS7 次期型 プロトタイプ スパイショット

2017年にDS7クロスバックとして登場し、2022年の改良で“クロスバック”の名称を外した現行モデルはEMP2プラットフォームを採用。ステランティスの最高級モデルとしての地位を堅持しており、ステランティス傘下のプジョー3008、シトロエンC5エアクロス、オペル・グランドランドの上位に位置する高級SUVとして展開されてきた。

これら兄弟車が次々にSTLAミディアムへ移行する中、DS7も追随するのは必然と見られている。フラッグシップモデルのDS8のプロトタイプはすでに目撃されていたが、DS7の走行テスト姿が確認されたのは今回が初めてだ。

来年の発表が予想される新型DS7は、現行モデルとは外観が大きく異なるものと予想されており、今回のスパイショットを見る限りでは、その改良はさらに際立っているようだ。

フランスで捉えられたプロトタイプは厳重にカモフラージュされているものの、他の現行DSモデルと同様に、薄型のLEDヘッドライトを2つ備え、それぞれに6つのLEDデイタイムランニングライト(DRL)が組み込まれているのがわかる。しかし、フロントライトはこれだけではない。よく見ると、ヘッドライトからわずか数センチ下、垂直に走る2つの小さなLEDライトの存在に気がつくはずだ。これらのライトは大部分がカモフラージュで覆われているが、DS N°8と同様に、ヘッドライトのベース部分に接続され、フロントバンパーの外側の角に向かって伸ばされるようだ。

リヤセクションでも重要なデザインディテールが巧みに隠されている。LEDテールライトの一部が見えるが、このSUV用に改良されているとはいえ、N°8に搭載されているものと似た形状のようだ。このプロトタイプにはテールパイプが一切見当たらないが、それは、この車が電気自動車だという事を示唆している。

インテリアはドイツ高級車勢に対抗すべく大幅に刷新される。2023年に発表された未来的なDS M.i. 21 Manifestoコンセプトからインスピレーションを受け、新たなDS8にもヒントを得た新しいキャビンは、先進的なインフォテインメントや運転支援機能に重点を置いている。

次期型ではサイズアップが予想されており、最新のオペル・グランドランドの全長4650mm(183.1インチ)と同等か、それを上回る可能性があるという。また、ホイールベースは現行の2730mm(107.5インチ)から約2784mm(109.6インチ)に延長され、後部座席のスペースが拡大されるものと見られる。

STLAミディアムプラットフォームへの移行により、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、そして電気自動車など、幅広いパワートレインが利用可能となる。エントリーモデルは、DS3とDS4で既に採用されている1.2L 直列3気筒ターボチャージャーエンジンに、48Vマイルドハイブリッドシステムと6速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせるものと予想される。

より強力なパワーを求めるなら、プラグインハイブリッドと電気自動車(EV)がラインアップされる。これらは73kWhまたは98kWhのバッテリーパックを搭載し、プジョーE-3008やE-5008と同様の最大700km(435マイル)の航続距離を誇る仕様になるものと予想される。尚、電気自動車(EV)版は、前輪駆動車で最高出力207~227psを発揮、デュアルモーターAWDのフラッグシップモデルは、最大316psを発揮する見込みだという。

新型DS7のワールドプレミアは、最速で2025年内、遅れた場合でも2026年初頭と見込まれている。ブランドの節目となる次世代モデルに大きな注目が集まっている。