余裕で寝られる広さは最高、 BEVの新たな楽しみも発見!

「N‐VAN eで車中泊できるのか?」という疑問はいわずもがな。後席、さらに助手席シートが床下に沈み、荷室から前席まで奥行き2mを軽く超えるフラットスペースが簡単につくれる。格納したシート背面はやや硬く、寝転ぶには厚手のキャンプマットなどを敷く必要があるが就寝スペースとしては申し分ない。そして何よりも電気自動車によるメリットが、車中泊や外遊びの楽しみ方を大きく変えてくれた。

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乗用も想定した4人乗りの最上級グレード「eFUN」は、フロントグリルに普通充電と急速充電、ふたつの充電リッドを標準装備している。その充電口にAC外部給電器(オプション)を差し込むことによって電気をとりだすことができる設計。つまり外出先でも家電を自由に使えるということ。今回は車内の天井をスクリーンにしてプロジェクターによる映像を楽しんだが、ちょっとした料理で重宝するホットプレートや電気ケトルなどを利用することもできる。さらにガソリン車の場合、エンジンをかけたままの車中泊は一酸化炭素中毒の危険や騒音トラブルを招く可能性があるためNGとされるが、エンジンがない電気自動車は無音&無振動。つまり誰にも迷惑をかけずエアコンを付けたまま寝ることができるので、猛暑でも快適な車中泊を楽しむことができる。N‐VANといえば商用車としてのイメージがあまりにも強いが、N‐VAN eは車中泊、遊べるクルマとして超優秀でした。

車両ホンダ・N-VAN e:
グレードe:FUN(FF)
全長×全幅×全高(mm)3395×1475×1960
荷室長×荷室高×荷室幅(mm)1495(左)/1335(右)×1370×1230
一充電走行距離(WLTCモード)245km
車両価格291万9400円
車中泊した人/テントの設営が不要など、最小限の荷物で手軽にキャンプが楽しめる車中泊の魅力にハマっている編集部K。「車中泊に最適なクルマ選び」の取材で、何台ものクルマで車中泊し続けている。●身長:170cm●体重:90kg

[就寝スペースのつくり方]後席&助手席を床下格納

ビジネスユースとして低床大空間、フラットフロアが大きな特徴だったN-VAN。その美点を受け継いだN-VAN e:も変わらない広々空間を確保している。後席、そして助手席を床下へ収納できる設計となっており、ヘッドレストをはずし、折りたたみ用のストラップを引っ張るだけでスピーディにフラットフロアが完成する。またシートが床下へ収まるため、室内高が約1400mm確保できるということもポイントだ。

奥行き 約2645 mm/幅 約1350 mm/室内高 約1380 mm
助手席を床下に収めると、後席との間に隙間ができる。それを解消するボードが標準装備される。

[ラゲッジルームの積載性]低床と大開口で積み込みも楽々

コンテナ型で積みやすい荷室形状にこだわったラゲッジスペース。低い床、そして高い天井による大開口が特徴で、床面までの地上高が約540mmなので荷物の積み込みをスムーズに行えるのもうれしい。一般的な軽自動車よりも後席の位置がかなり前なので、後席を格納しなくても奥行きが約820mmもあり、大人1人で車中泊するためのアウトドアギアが余裕で積み込める。荷物が後方視界を遮る心配もない。

テーブルやチェアを広げBBQや焚き火を楽しむため、車中泊とはいえ最小限のアウトドアギアを準備し積み込んだ。コンテナボックス等に荷物をまとめると積み込みがスムーズになる。

電気のチカラで外遊びが変わる

BEVの大きなメリットがクルマのバッテリーが電源そのものになるということ。バッテリーに蓄えた電気を専用のAC外部給電器でとりだすことができるので、家電品などをアウトドアシーンで利用できる。天井をスクリーン代わりにして、家庭用プロジェクターを使って映像を楽しむなんてこともできたりする。

「e:FUN」の場合、フロントグリル両側に充電リッドを標準装備している。左側が普通充電、右側が急速充電用となる。
外部給電に必要となる「Honda Power Supply Connector」がディーラーオプションで用意される。最大出力は1500W。
外部給電が使えると家電品をアウトドアシーンで利用できるだけでなく、外出先でのリモートワークの際にも非常に便利。

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STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2025年9月号 No.357より