アクセルのツキやフィーリングも激変!?

最新モーテックで4スロの完全電子制御化を実現!

ここで紹介するのは、「技術を駆使した最先端のストリート仕様」を目指して製作された名門“テックアート”のスプリンタートレノだ。その肝になるのは4連スロットルの電子制御化である。

ベース車両はカリフォルニアで入手した左ハンドル仕様で、SEMAショー2021のクスコブースに展示され話題を呼んだ個体。イベント終了後、しばらくアメリカの現地ショップに保管されていたが、さらなるアップデートを行うために日本のテックアートへ戻ってきたそう。

ちなみに、このハチロクは日本国内でこそナンバーレス状態だが、環境規制が厳しいアメリカ西海岸地区でナンバーを取得済み。そう、れっきとしたストリートチューンドなのである。

そんなテックアートが提案する最新ストリート仕様のエンジンは、4A-Gと同系譜である7A-FEのシリンダーブロックに、20バルブヘッドを組み合わせた4A-G改の最強スペック、いわゆる7A-G仕様だ。カムはストリート向けのTEC-CAM264で、パワー的には210〜215psと乗りやすさを重視。エキマニやマフラーは、テックアートとフジツボのコラボモデルを組み込む。

4連スロットルはAE111純正、美しいサージタンクはオーストラリアのウェルドスピード社とのコラボで誕生したビレッドインテークマニホールドキット。見どころはスロットルバルブのコントロールで、BMW純正のモーターを使い、リンケージを介して4連スロットルを電子制御化しているのだ。

これにより、従来のワイヤー式に比べて綿密な制御が可能になり、アクセル操作に対するフィーリングが劇的向上。そのフィーリングは想像以上に従順で、以前試乗したドリキンこと土屋圭市氏が「レスポンスが素晴らしく、まるで新車をキッチリ仕上げたような節度感。踏んだ瞬間からグッとパワーが出て乗りやすい!」と絶賛したほど。

エンジンマネージメントはモーテックのM130が担当。これまで使ってきたm800と比べても、M1系は演算や通信速度が速く、制御項目も多いので工夫次第で多くのアイディアを実現できるそうだ。

点火系は、オリジナルのダイレクトイグニッションキットを採用。ゴールドでペイントされたプレートも相まって、今時感のあるエンジンルームに仕上がっている。その他、HKS製15段オイルクーラーやオリジナル銅3層ラジエター、電動ウォーターポンプなどクーリング対策も抜かりない。

足回りは、テックダンパー(タイプC)でセットアップ。ストリートからワインディングがターゲットの車高調で、スプリングレートはフロント3kg/mm、リヤ1.6kg/mmの設定。アームは、クスコ製のピロテンションロッドやロワアーム、コントロールアーム、ラテラルロッドを組み込んでアライメントの自由度を高めている。

ボンネットやドア、リヤゲート、そしてルーフ、ヘッドライトカバーなどはインパルスのドライカーボン製に変更。その他、前後バンパー&フェンダーやバックパネルなどの外装部品は、レストアパーツ.COMのリプロ製品に交換され、まるで新車のような輝きを放つ。

「4連スロットル+電動化は、乗りやすさが段違いです。ただ、1年半問題なかったのに、撮影前日、急に電スロを動かすモーターにトラブルが出たので、そのあたりは今後の課題かな。それさえ解決すれば、電動4連スロットル仕様は、ストリート仕様に最適な組み合わせだと思いますよ!」とはテックアート鎌田さん。

この制御が綿密に行えるのは、全幅の信頼を寄せるモーテックの存在があってこそ。旧車好きの中には、近代化、電子制御化を敬遠する人もまだ多いが、最新のチューニングによってトラブルが減り、乗りやすくなれば、楽しく走る機会も増えるなど、そのメリットは計り知れないことだろう。

●取材協力:テックアート 埼玉県八潮市浮塚54-1 TEL:048-994-2081

「1000馬力のハチロクが凄すぎる!」200メートルをわずか5.5秒で駆け抜ける異次元の突進力

北米仕様のAE86に宿った心臓は、ホンダS2000の高回転ユニットF20C。そしてその頭上に鎮座するのは、巨大なGTX4202タービン。自らの手でメタルワークを施し、クロスメンバーやインタークーラーまでワンオフ製作。アメリカのJDMマニアが造り上げたこのハチロクは、最高出力1000ps、0-200m加速5.5秒という怪物スペックを誇る。見た目は“ただのカローラ”。だがその正体は、ドラッグシーンを震撼させる究極のモンスターだ。

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