IXでなければならない理由があるんです!

FF、MRを経て辿り着いた4WDターボのパッケージ

初めての愛車、EP91スターレットグランツァVを20歳の時に購入。その後、MR2 Gリミテッド(NA)→GT-S(ターボ)とSW20を乗り継ぎ、昨年25歳でCT9AランエボⅨを手に入れた廣田さん。20代半ばにして、スポーティカーの王道をゆく車歴が素晴らしい。

「以前から、乗れるうちに乗りたいクルマに…という思いが強くて。MR2から乗り替えるならランエボと決めてました。それもⅨ一択。理由は、MIVECターボを搭載したCT系ランエボの最終進化型であることと、歴代モデルの中で最もプロポーションが完成してると思ったからです」と廣田さんは言う。

もう一つ、小学生の頃から遊んでいたグランツーリスモなどのドライビングゲームで慣れ親しんでいたクルマであることも、実はⅨ購入に大きく影響しているとか。幼少期からゲームでクルマに触れることが当たり前となっている、いかにもその世代らしい話だ。

FF、MRと乗り継いだ廣田さんに初の4WDとなるランエボの走りについて尋ねてみる。

「どの速度域でも、まず安定感が抜群に高い。それでいて低速域はEP91、中高速域はSW20のような動きを見せるんだなと思いました。それと、最初はAYCやACDを活かす乗り方がなかなか掴めなくて。SW20のようにブレーキを残しながらコーナーに入っていくと、ACDが締結する方向に向かってスムーズにターンインできない。速く走るには自分がクルマに合わせていかないとダメ、ということを実感しましたね」。

峠に走りに行ったり、休日のドライブを楽しんだりするのがメインで、出張のアシとして長距離を走ることもある。そこでチューニングはストリートユースを重視。エンジンは扱いやすさを損なわない吸排気チューン+ブーストアップ仕様とされ、ラリーアート製ECUで制御する。

排気系はモンスター製タービンアウトレット、アペックス製スポーツキャタライザー、HKS製スーパーターボマフラーが組み合わせる。廣田さんいわく、「クルマを購入した時、なぜかマフラーだけが純正でした。交換後のパワーやレスポンスには大満足です」とのこと。

フロントバンパーとフェンダーのみバリス製に交換。ホイールはアドバンRG-D2(8.5Jプラス25)で、255/40−17サイズのディレッツァZⅡを履く。足回りはオーリンズ製車高調に前後クスコ製スタビライザーをセット。ブレーキはパッド、スリット入りローター共にディクセル製をチョイスする。

ディープコーンタイプのステアリングホイールで操作性を向上。ダッシュボード中央にはデフィ製ブースト計、水温計、油温計がセットされる。また、ブースト圧はHKS EVCⅣでコントロール。「ブーストの立ち上がりが格段に良くなりました」と廣田さん。

「走りは申し分ありません。強いて言えば、ギヤ比がクロスしていて、しかも全体的にローギヤードなので、常にエンジン回転数が高めなことがちょっと気になるかな…というくらい。でも、その分どこから踏んでも力強く加速してくれるので、不満に思うことはないです。それより、もう20年近く前のクルマですけど、ステージによっては今時のスポーツカーとも対等に渡り合える。予想していた以上に、“ランエボって凄いっ!!”というのが率直な感想ですね」。

話を聞いていて、ランエボへの惚れ込みようが言葉の端々から伝わってきた。「満足度150%です」と言う廣田さんとCT9Aの関係は、まだまだ長く続いていきそうだ。

●取材協力:SKT 東京都あきる野市横沢欠ノ上43-1 TEL:042-519-9826

「お前は間違いなく時代の寵児だった!」シャリオMRターボの魅力をガチで再考察してみた

1983年、三菱が世に送り出した初代シャリオ。セダンの走りとワゴンの居住性を融合させた斬新なパッケージは、それだけでも革新的だった。ところが発売からわずか5か月後、三菱はさらに“ターボ仕様”という大胆な一手を放つ。1.8L直4ターボを積み、軽量ボディと十分なトルク、そして3速ATの絶妙なマッチングによって誕生した「MRターボ」。それは、間違いなく80年代を駆け抜けた“時代の先端”を象徴する存在だった。