見た目のインパクトに加え、見晴らしもより爽快に

オフ系カスタムを志すのであれば、リフトアップも視野に入れておきたい。とくにプラド&ハイラックスは、ボディとフレームが別々のラダーフレームという、国産SUVとしては稀有なボディ構造を採用しているから、リフトアップしやすいということもある。

リフトアップの手法は、大きく分けて2つ。サスペンション自体を交換する方法と、スペーサーやブロックでボディ自体を持ち上げる方法だ。それらを組み合わせ、さらにアゲることもできるのもリフトアップならではといえる。 

車高が上がれば単純に迫力が増し、運転席の見晴らしもよくなる。それこそ世界が変わるのだ。

2inch UPLIFT UP SPRING 初心者だからまずは様子見、という人にはリフトアップスプリングのみでのアゲがオススメ。純正ショックを使用するから乗り味も確保しやすく、コストも抑えられるのがポイントだ。
4inch UPBODY LIFT サスペンションとボディとの間にブロックやスペーサーを挟み込み、ボディ自体を持ち上げる手法がコレ。スプリングのみよりもアゲ幅が大きく、よりインパクトのある姿を実現可。
6inch UPLIFT UP SPRING + BODY LIFT さらにもっとアグレッシブに、という人にはリフトアップスプリングとボディリフトの合わせ技が狙い目。上のデモカーはこの手法で、なんと6インチの大胆アゲ。迫力バツグンだ。

プラド純正のサスペンションをチェック

プラドのフロントはダブルウィッシュボーン式。ロアアームとアッパーアームが上下に備わるため剛性が高く、操縦時の安定性に優れるのがメリット。リアの足まわりはトレーリングリンク式。どちらもアゲは問題なし。
FRONTダブルウィッシュボーン独立懸架コイルスプリング
REARトレーリングリンク車軸式コイルスプリング

リフトアップを制すればオフスタイルの土台が完成

リフトアップはオフ系独特のスタイルアップ術で、つまりリフトアップを制すれば、オフスタイルを制したも同然。ここではそんなリフトアップをスマートに実現するパーツをピックアップしたい。

最も手軽でコストも抑えられるのが、リフトアップスプリングという選択。アゲ幅はどうしても限られてしまうが、難易度も費用も低いため、初めてリフトアップに挑戦するという人にはオススメだ。

最近はリフトアップ仕様の車高調も増えてきており、乗り心地も補正しながらちょいアゲを狙うならコレも候補。せっかくだから思い切って大胆にリフトアップしたいというなら、本格的なリフトアップキットでボディを持ち上げ、各部を補正して仕上げるという上級者向けメニューもある。

CASE(1) コスパ重視でいくならスプリング交換が定番

コストパフォーマンスを重視するなら、リフトアップスプリングの装着がオススメ。純正ショックはそのまま使用するため、乗り心地を確保しやすく、何より本格的キットと比べれば圧倒的にリーズナブルなのが魅力的だ。リフトアップビギナーの入門編的手法。

手軽さは随一だがその分、リフトアップ量は1.5~2インチ程度とそれほど大きくないので悪しからず。アゲると足まわりが見えやすくなるので、スプリングカラーも重要。

CASE(2) 乗り心地はそのままで手軽なリフトアップを実現

リフトアップしても純正の乗り心地は損いたくない。そんな人にオススメなのがリフトアップスペーサーというパーツ。純正の足まわりとボディとの間にスペーサーを挟み込むことで、手軽にちょいアゲを実現できるのがその特徴だ。コストもスプリングなみに良心的。

リフトアップスペーサーもビギナーには推奨。コストも比較的抑えられるし、足まわりが純正のままだからリフトアップ後の運転も安心だ。

CASE(3) ショックとスプリングを機能的に車高をアップ

ショックとスプリングとがセットになったキットもリフトアップのスタンダード。最近では車高を調整できる製品も増えてきている。乗り心地を確保できる全長調整式や、減衰力を細かく調整できる機能が備わるハイスペックモデルも多く、走りも意識したアゲには最適だ。リフトアップ幅は20〜40㎜程度がスタンダードとなる。

リフトアップ車高調は基本、その車種に合わせた味付けが採用されるため、乗り心地も含めて機能的な車高アップを果たせるのが魅力。コストはかかるが信頼性は上位だ。

CASE(4) 3インチ以上アゲるならボディごとリフトアップ

3インチ以上の本格的なリフトアップに挑戦する場合は、専用で開発されているボディリフト式のリフトアップキットが最適。アゲ幅が大きいのはもちろん、リフトアップに伴って変化した各部を補正するための部品なども含まれるから、安全安心なリフトアップを楽しむことができる。ノウハウが豊富なショップでお願いしよう。

大きなリフトアップを実践すると、キャンバー角が変化したりプロペラシャフトの角度がズレたり、さまざまな変化が車両には起こる。それを補正する部品も含むから安心。

リフトアップならではの追加パーツ

リフトアップすると生じてしまうさまざまな変化は、そのままにしておくと乗り心地に支障を来たしたり、故障などトラブルの要因にもなる。そんなときに必須なのがこれらの補正パーツ。安全に楽しむため、ぜひ。

車高をアゲるとその分、ショックがずっと伸びた状態に。それを解消するためのパーツが、ショック延長ブラケット。ショックに組むことでショックの長さを補正可。
プラドをリフトアップした際に角度が変わってしまうラテラルロッドの位置を補正し、ショックへの接触を防ぎつつ、乗り心地も向上させるラテラル延長ブラケットも必須だ。
リフトアップ時にフロントのデフ位置を下げ、ドライブシャフトの角度を補正することでシャフトブーツの破損を防ぐデフダウンブロック。負担の軽減には不可欠だ。
実際に車高をアゲるパーツを付けるだけでなく、錯覚を利用してアガった感を強化する手法もアリ。例えばフェンダーのブラックアウト。タイヤと同化し、クリアランスが広く見える。

リフトアップ時の注意点は?

リフトアップすると車体が高くなるため、カーブでのロールが大きくなったり、直進性能が低下することも。それらを防ぐためにも各部の補正は必要だ。また車検に通るのは、車検証の記載から4㎝以内で、バックランプ高が1.2m以下。超える場合は構造変更の申請が必要になる。

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