柔軟な足まわりに高い駆動力 愚直に変わらないことが強み

ランドクルーザー70は、1984年の発売以来、一度もフルモデルチェンジを行なわずに改良を続けてきた。サイド&カーテンエアバッグは非設定で、運転支援機能のクルーズコントロールも車間距離を制御できない。それでも衝突被害軽減ブレーキは採用されて商品力は着実に高まった。

エクステリア

シンプルな部品構成で形づくられた水平・垂直フォルムは、機能美の塊。それでいてBi-Beam LEDヘッドランプを標準装備するなど、時代に応じた機能も手に入れている。最小回転半径は6.3m。

エンジンは2.8ℓ直列4気筒クリーンディーゼルターボで、最大トルクの500Nmを実用回転域で発揮する。この粘り強さは、デコボコの激しい悪路を慎重に進むときも優れた効果を発揮する。足まわりは四輪に車軸式を採用して、柔軟に伸縮する。最低地上高も200㎜で悪路走破力は高い。耐久性の優れたラダー(梯型の)フレームに、エンジンやボディを架装する。

インストルメントパネル

ステアリングスイッチ付き本革巻きステアリング、メーター内4.2インチTFTカラーマルチディスプレイなど、確かな進化を感じる。空調はマニュアルエアコンのみで、7インチ2DINワイドのトヨタ純正ナビ・オーディオは販売店オプション。

悪路走破力が高い半面、舗装路の運転感覚は個性的だ。ステアリングの反応は鈍く、車線変更をあえて素早く行なうと、ボディが大きく揺り返す。乗り心地も粗く感じる。最小回転半径は6.3mと大回りだ。後席は狭く、身長170㎝の大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシの半分程度だ。

居住性

使い勝手はまさに約40年前のクルマだが、ランドクルーザー70には些細なことだ。新しいSUVが快適性を大幅に高めても今まで走破できた難所で立ち往生したら、生命を脅かされるからだ。

うれしい装備

後席シートをタンブルアップする操作はシート横のレバーで行なう。荷室は拡大できるが、シートを立て掛けて固定できないのが難点だ。
月間販売台数      373台 (24年9月~25年2月平均値)
現行型発表       23年11月
WLTCモード燃費     10.1㎞/ℓ  

ラゲッジルーム

ランドクルーザー70はそのような場所で使われるから、ユーザーも変化を嫌い「そのままつくり続けて欲しい」と願う。究極の悪路向けSUVでカッコイイとか野性的といった次元の話ではない。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.167「2025-2026年 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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