800V電気自動車アーキテクチャ(MB.EAミディアムプラットフォーム)を採用
次世代メルセデス・ベンツ「CクラスEV」がニュルブルクリンクで高速テストを開始した。

走行中のプロトタイプを側面から捉えた画像では、高級な快適性を犠牲にして、本格的なチューナーのイメージを優先したかのような、「シャコタン」スタイルが見てとれる。

しかし、これは、ベンツのテスドライバーが次期CクラスEVをいかに激しくテストしているかということだ。同社は、約800kmの走行距離を誇る電気自動車セダンを市販に向けて準備を進めており、ニュルブルクリンクの数多くのコーナーのひとつをフルコンプレッションで駆け抜けるようなものだ。
パフォーマンスセダンでサーキットを全開で走っていると、まさにこの車高になってしまう。ニュルブルクリンクの高速走行と長いコーナーは、大きなGフォースを発生させ、サスペンションを大きく圧縮する。また、クルマはコンクリートセクションの少し後ろにある舗装路面を走行しているため、このテスト車両はローダウンしているのだ。
CクラスEVには、メルセデスベンツ最新の800V電気自動車アーキテクチャ(MB.EAミディアムプラットフォーム)が搭載される。さらに、航続距離を伸ばすシリコンカーバイドインバーターと、少なくとも1基のモーターに2速トランスミッションを搭載したベンツのeATS2.0駆動システムを採用する。このギヤボックスの追加により効率が向上し、国内市場では最高速度が向上する。
市販型には、94.5kWhのバッテリーを搭載するとみられ、最大541マイル(約888km)の航続距離を実現すると予想されている。これはWTLPサイクルでの楽観的な数値だが、米国EPAの測定では航続距離でも、500マイル(804km)近くに達するはずだ。また、800V充電により、10分で最大330km走行可能となる。
小型のCLA EVでは、85kWhのバッテリーパックを積み、WLTPサイクルで最大720kmの航続距離を実現、最高出力は349psを発揮する。やや大型のCクラスEVでは、わずかながらもさらにパワーアップすると予想されている。
このプロトタイプは、これまで見てきたほとんどのプロトタイプよりも生産車に近いことは確かだが、まだ開発中であることは明らかだ。ヘッドライトとテールライトはダミーであり、生産型ではない。しかし、全体的なシルエットはおそらく最高の状態といえる。ただしドア下部に追加された厚いパッドはもちろん偽装だ。
EQテクノロジーを搭載した新型Cクラスは、2026年中に発表される見込みで、発売は年末を予定している。












