アキシャルフラックスモーターを3基搭載、合計出力は1300ps以上に

メルセデスAMGが独自に開発を進める、「GT 4ドア」の後継EV最新プロトタイプをカメラが捉えた。
メルセデスAMG GT電気自動車の高性能モデルは、以前にもテスト走行の様子が目撃されているが、今回のプロトタイプはこれまでと一味違う。この開発車両には、ボンネットに複数の通気孔が開けられているのだ。見た目を良くするためではないことは明らかだが、その外観から、この車のノーズ部分に一体何が起こっているのか、興味をそそられる。

メルセデスはこの電気スーパーカーにガソリンエンジンを搭載する予定なのだろうか?それとも、期待されているアキシャルフラックスモーターとその電子機器の冷却に問題が発生しているのか?
スクープ班は、今年初め、ドイツのニュルブルクリンク近くにあるAMG開発センターから出現したAMG GT 4ドアEVを捉えた。このプロトタイプには、電気自動車の警告ステッカーが貼られていたが、ボンネットには穴が開いていなかった。
しかし、最新プロトタイプにも高電圧ステッカーも貼られているが、以前に見られた、ボンネットの大きなステッカーではなく、窓に貼られた小さなステッカーだ。そして、ボンネットには約100個の謎の穴が開けられている。
よく見ると、穴はメインのボンネットではなく、オリジナルのプロトタイプのボンネットの上に取り付けられた部分に開けられているように見える。
車のボンネットに穴を開ける理由はいくつか考えられる。まず、高圧の空気を排出するためだ。高性能車では、エンジンルームに高圧の空気が溜まることがある。速度を上げると揚力が発生し、ハンドリングが悪くなる。この空気を排出することは、高速走行性能に不可欠な要素だ。
しかし、これがEVであれば、エンジンルームはない。フロントグリルが閉じられているため、そもそも空気が入り込むことはない。よって、話はさらに複雑になるのだ。
ボンネットベントを追加するもう一つの一般的な理由は、熱対策だ。これは、ターボチャージャー付きであれスーパーチャージャー付きであれ、過給エンジン搭載車では特に問題となる。大量の熱が蓄積され、車両に様々な問題を引き起こす可能性がある。しかし、この車にはエンジンが搭載されていないので、熱を排出する必要はないはずだ。それとも、そもそもエンジンが搭載されているのだろうか?
しかし、現段階では、AMGがレンジエクステンダーモデルであっても、ガソリンエンジンを搭載する予定はないと推測される。
AMG GT EVは、ハイテクバッテリーと3基のアキシャルフラックスモーターを搭載、このモーターにより、合計出力は1,300ps以上の出力を発揮すると見られている。
パワーだけでなく、最大850kWの充電も可能だ。これは現在生産されているどのモデルよりも大幅に速く、十分な出力の充電器を使用すれば、わずか5分で250マイル(約400km)の航続距離を延長できる。
このシステムに搭載されている電子機器、特に初期のプロトタイプは、間違いなく大量の熱を発生する。電気モーターはガソリン車ほど効率が悪いわけではないが、バッテリー、モーター、インバーターはすべて廃熱を発生させる。AMGはこれらの部品を冷却する必要があり、ボンネットに穴を開けることで冷却している可能性がありそうだ。
果たして、量産型にエアベントは配置されるのか、最終デザインが気になるところではある。


















