うれしい装備が充実

ランドクルーザー3モデルで車中泊を行なって、最も意外な結果だったのが“70”。5人乗りの2列シート車なので、就寝スペースの確保は後席シートを倒して荷室を広げる方法となるが、タンブル構造のシートを前に倒すと、荷室長が3モデルの中で最も短い1500mm程度しかない。著者が寝転ぶことはもちろん、多くの大人がそのまま寝るのが難しそう。他にもホイールハウスが車内側へ大きく出っ張っているので、パッと見の広さとは裏腹に、快適に一晩を過ごすためには色々と工夫する必要がある。まず“300”同様スペース内で斜めに寝転び、フロアにある段差やシートの留め具を厚手のキャンプマットを使って処理。タイヤハウスが大きく、夜中頭をぶつけて起きてしまったので、できればタイヤハウスと身体の間にも柔らかいマットがあると良さそうだ。逆に室内高に余裕があるので、寝転んだ状態から起き上がっても頭を天井にぶつける心配がないのはうれしいポイント。また、最近のクルマにはほとんど装備されていないリアハッチのドアハンドルや車内からハンドル操作で開け閉め可能なサイドウインドウは“70”だけの特権。車外へ出る際、スムーズにリアハッチの開閉ができるので、車中泊派にとっては非常にありがたい装備だ。

TOYOTA・LAND CRUISER70
■撮影車両:AX(5人乗り・ディーゼル・4WD)
■室内サイズ(全長×全幅×全高):1760×1440×1240(mm)
車中泊した人 ランクル3モデルで実際に車中泊を行なってきた編集部K。「見た目で選ぶなら70。車中泊するクルマとして考えるなら250が一番快適でした」 ●身長:170cm●体重:90kg

室内高が高く圧迫感が少ない空間

【荷室長:約1500mm/高さ:約1100mm/幅:約1200mm】
後席を格納した際の荷室長は1500mm程度。ランクル3モデルの中では最も短い。ただ室内高は他の2モデルよりも高いうえ、ウインドウガラスが非常に大きいため長い時間過ごしていても圧迫感がなくリラックスできた。6対4分割可倒式のリアシートはワンタッチで格納できるタンブル機構式。両サイドに大きなタイヤハウスが出っ張っているが、シンプルな形状なので荷物の積み込みにはそれほど邪魔にならない。
【通常時】荷室長:約900mm
【2列目タンブル】時】荷室長:約1500mm

リアゲートは左片扉だけで開け閉めできる

“70”だけの特権が、左片扉だけを開け閉めできる横開きハッチ。左右で大きさが異なる2枚のドアは、左片扉だけを開けて荷物の出し入れが可能。通常時の荷室長は約900mmあるので、ソロ車中泊に必要なアウトドアギアなら余裕で積み込むことができる。室内高が“250”や“300”よりも高いので、同じ量の荷物を積み込んでもまだまだ余裕がある。

70で車中泊するには、身体が大きいとちょっと窮屈!?

スマートな体型の大人であれば余裕を持って寝られそうな荷室スペース。それでもスペースを斜めに使えば十分寝られるレベル。

車中泊にうれしい装備が荷室にいろいろ

リアハッチもドアハンドルが内側に設置されているため、車内から開けることができる。車中泊派のオーナーにとってうれしい装備だ。
イマドキのクルマには珍しい、車内からハンドル操作で開けられるサイドウインドウ。車内の空気を入れ替える際、いつでも窓が開けられる。

シンプルなつくりの前後シートは独特の座り心地

最新のSUVとは違い、シンプルな設計となる運転席まわり。メーター内のディスプレイは最新の4.2インチTFTカラーマルチディスプレイに対し、空調はマニュアルエアコンとなる。
全高:1920mm/全幅:1870mm
リアハッチ開口高:670mm
全長:4890mm
TOYOTA・LAND CRUISER 70

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自動車誌MOOK ランドクルーザー購入ガイドより