連載

今日は何の日?

■4代目セルシオから国内でもレクサスLSを名乗る

レクサス「LS460」
2006年にデビューした「レクサスLS460」

2006(平成18)年9月19日、1年前に日本で開業したレクサスブランドからフラッグシップの「レクサスLS」がデビューした。初代から3代目まで日本では「セルシオ」と名乗っていたが、この4代目からレクサスLSに車名が統一された。その結果、セルシオの名前はラインナップから消えることになった。

レクサス「LS460」
2006年にデビューした「レクサスLS460」

米国でのレクサスブランド設立とともにレクサスLSデビュー

日本市場がバブル景気で絶好調だった1986年、ホンダが米国で高級車ブランド“アキュラ”を立ち上げ、1989年にトヨタが“レクサス”、日産自動車が“インフィニティ”を設立した。小型車の成功で世界を席巻した日本車だが、“安くて丈夫”といったかつてのイメージを払拭するには、高級ブランドの立ち上げが必要だったのだ。

北米市場でのレクサスブランド開業は、メルセデス・ベンツやBMWに対抗して高級車市場に参入するための布石であり、レクサスのクルマづくりは、それまでのトヨタ車とは一線を画し、すべての製造過程の加工精度を上げ、特別な塗装とインテリアも厳選された高級素材を使用した、国内モデルとは異質なものだった。

レクサスの設立と同時に発売された「LS400」
レクサスの設立と同時に発売された「LS400」

レクサスの設立と同時に発売されたのが「レクサスLS400」であり、その1ヶ月後に日本仕様にしてセルシオの車名で日本に投入された。

トヨタとレクサスのフラッグシップ・初代LS400(セルシオ)

国内に投入されたセルシオ(米国ではLS400)は、クラウンでは満足できなかったユーザーに、センチュリーとクラウンの中間に位置する超高級車を提供するのが狙いであり、特に欧米の高級車に負けない質感や乗り心地、静粛性が重視された。

「セルシオ」、「レクサスLS400」
1989年にデビューした高級車「セルシオ」。レクサスLS400を国内で販売

高級車らしい重厚なスタイリングと鏡面のような輝きを放つボディ、豪華なインテリア。パワートレインは、最高出力260ps/最大トルク36.0kgmを発揮する新開発の4.0L V8 DOHCエンジンと、最新仕様のETC-i制御4速ATの組み合わせ。

「セルシオ」、「レクサスLS400」
1989年にデビューした高級車「セルシオ」。レクサスLS400を国内で販売

足回りは、4輪ダブルウィッシュボーンで、標準モデルにはコイルスプリング式、上級モデルにはダンパーの減衰力を自動調整できるピエゾTEMSを組み込み、さらにフラッグシップモデルには電子制御式エアサスペンションを採用して、超高級車らしい快適な乗り心地が実現された。

「セルシオ」、「レクサスLS400」
1989年にデビューした高級車「セルシオ」、「レクサスLS400」のコクピット

セルシオは、メルセデス・ベンツやBMWの高級車と競合できる初めての国内モデルとして大きな注目を集め、国内でも大変な人気を記録。最も売れたのは、600万円を超えるフラッグシップ仕様だったが、それでも欧州高級車に比べればコストパフォーマンスに優れお買い得と言えた。

国内でも4代目セルシオをレクサスLS460として販売

日本でのレクサスブランド開業の翌2006年9月のこの日、日本でセルシオ4代目改めレクサスLS460がデビューした。

レクサス「LS460」
2006年にデビューした「レクサスLS460」

レクサスLS460では、プラットフォーム、エンジン、トランスミッション、サスペンションを一新。ボディサイズはセンチュリーより小さいが、クラウンよりひとまわり大型化された。スタイリングはトランク部分を短くしたショートデッキ型で、エモーショナルで躍動感溢れるフォルムに変貌した。

「レクサスLS460」のリアビュー
「レクサスLS460」のリアビュー

パワートレインは、最高出力385ps/最大トルク51.0kgmを発揮する4.6L V8 DOHCエンジンと、世界初のシーケンシャルシフト付8速ATの組み合わせ。駆動方式はFRと4WD、サスペンションは前後ともアルミニウム製マルチリンクで、ハイパワーの走りに上質な磨きがかけられた。

1UR-FSE型エンジン
レクサスLS460に搭載された新開発の1UR-FSE型エンジン
1UR-FSE型エンジン
レクサスLS460に搭載された新開発の1UR-FSE型エンジン

またLS460には、フラッグシップセダンらしく高度なドライビングサポート機能が装備された。代表的なのがVDIM(アクティブステアリング統合制御)で、エンジンとブレーキ、ステアリングなどの機能を統合的に制御し、理想的な運動性能と予防安全性を両立させたのだ。

「レクサスLS460」のコクピット
「レクサスLS460」のコクピット

さらに最高の広さの室内と快適装備、安全装備も備えられた。インテリアのシート生地はアルカンタラ仕様とセミアニリン仕上げの本革仕様が選択でき、グレードによって後席パワーリクライニングシートが装備された。安全装備については、衝突を予測し警報を発し、ブレーキアシストを行なってシートベルトを強く締めるプリクラッシュ・セイフティシステムも装備可能だった。

レクサスLS460のボディパッケージ
レクサスLS460のボディパッケージ

車両価格は、FRモデルで770万~965万円に設定。レクサスLS460は完成度は高く、トヨタの高級車の実力を世界にアピールした貴重なモデルとなった。

2017年にデビューしたハイブリッド「レクサスLS500h」
2017年にデビューしたハイブリッド「レクサスLS500h」

・・・・・・・・・
その後レクサスLSは、居住性を高めたロングホイールベース仕様やハイブリッド仕様を追加して進化を続け、2025年現在の現行「レクサスLS500」も、高級セダンのフラッグシップとして不動の地位に君臨している。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

連載 今日は何の日?

歴史 22時間前

日産の超高級ミニバン「エルグランド」にVIP仕様を追加、ベース車の倍!829万円で02年誕生【今日は何の日?12月19日】

歴史 2025.12.18

GAZOO Racingチューンのトヨタ「マークX GRMN」初代は100台限定の3.5L V6 321ps!14年発表【今日は何の日?12月18日】

歴史 2025.12.17

ダイハツ「タント」が驚きのセンターピラーレス“ミラクルオープンドア”を装備し108万円~2代目誕生【今日は何の日?12月17日】

歴史 2025.12.16

日産「ローレル」のライバルはマークII! エレガントなハードトップは160万円~88年6代目発表【今日は何の日?12月16日】

歴史 2025.12.15

マツダ「CX-5」がすべてをブラッシュアップし246万円~2代目発表!【今日は何の日?12月15日】

歴史 2025.12.14

レクサス・スーパースポーツ「LFA」、3750万円限定500台の生産を14年に完了【今日は何の日?12月14日】