スーパー耐久での実戦データを反映し、ボディ剛性や吸気冷却を徹底的に強化。
さらにサウンド体験の深化や供給体制の見直しによって、より多くのドライバーにその走りを味わう機会が開かれた。
単なる改良に留まらず、“進化型GRカローラ”と呼ぶにふさわしい内容となっている。
■一部改良のGRカローラが登場! その内容、“一部”じゃないでしょ?
トヨタのモータースポーツブランド『TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)』が手掛ける、カローラスポーツをベースに開発されたハッチバックスタイルのスポーツカー『GRカローラ』は、強力なエンジン、リニアな反応を実現したアクセルやハンドリングなど、モータースポーツの現場で徹底的に鍛え上げられた魅力満載の1台としてすでにおなじみだ。
このたび、そのGRカローラの一部改良モデルが発表され、2025年9月18日から注文を開始、11月3日より発売される。
今回の一部改良では、ボディ骨格と吸気冷却性能を改善、街中からニュルブルクリンク(※1)のような過酷なサーキットまで、一体感ある走りを実現することを目指している。スーパー耐久シリーズで得られた知見が注ぎ込まれ、また、供給体制の見直しによって、従来より多くの顧客が手にできるようになった点も注目だ。さらに既存ユーザーに向けては、ソフトウェアを含むアップグレードプログラムの提供も予定されており、「もっといいクルマづくり」に終わりはないというTGRの姿勢が示されている。
今回の進化型GRカローラは、スーパー耐久シリーズなどのサーキット走行から得られたデータを反映し、従来モデル以上に高負荷環境へ耐える設計が施された。まず大きなトピックはボディ剛性の強化で、強烈な上下左右のGが加わる海外サーキットを想定して骨格を見直し、クルマ全体がドライバーの意志に対してよりリニアに応える構造へと進化している。また、エンジンのパフォーマンス維持に直結する冷却系も改良され、長時間の全開走行でもパワーダウンを防ぐ“クールエアダクト”が追加された。さらに日常のドライブにおいても満足度を高める工夫が施されており、JBLプレミアムサウンドシステムにサブウーハーを追加して音質を刷新。単なる快適装備に留まらず、エモーショナルなサウンド演出によって聴覚的にも“走り”を表現している。それに加え、これまで供給不足で抽選販売が続いていた体制を見直し、より幅広いユーザーが手にできるようになったことだ。
■今回のGRカローラの改良ポイントはズバリ、ココだ!
ボディ剛性の強化では、構造用接着剤の塗布量を従来比で13.9m延長し、合計32.7mに達した。増加分はフロントボディやフロア、リヤホイールハウス周辺に重点的に施され、最小限の重量増で大幅な高剛性化を実現。これにより、街乗りではしっとりとした安心感を、サーキットでは俊敏な一体感を体感できる。
また冷却性能の進化も見逃せない。新設されたクールエアダクトは、フロントグリルから外気を直接導入し、吸気温度の上昇を大幅に低減。従来であれば高温環境下で出力低下に悩まされるシーンでも、G16E-GTSエンジンは安定したパフォーマンスを発揮する。
さらにサウンド体験では、JBLプレミアムサウンドシステム（メーカーオプション ※2）の機能を充実。新たに追加搭載されたサブウーハーと最適化されたノイズコントロールに加え、アクセルやシフト操作に応じてスポーツサウンドを鳴動させるアクティブサウンドコントロール(ASC)も新搭載。アクセルオフ時にはバブリング音まで響かせ、レーシングカーさながらの臨場感を街中でも楽しめる。
今回のこれらの改良によって、GRカローラは単なるパワーアップにとどまらず総合的な進化を遂げている。
■メーカー希望小売価格
| グレード | GR-DAT(8AT・4WD) | 6MT(4WD) |
| RZ | 598万円(消費税込み) | 568万円(消費税込み) |
RZ GR-DAT(8AT・4WD):598万円(消費税込み)/6MT(4WD):568万円(消費税込み)
■画像ギャラリー
■従来モデルのオーナーも見捨てない、アップグレードプログラムもアリ!
既存ユーザーを切り捨てない姿勢もまたGRカローラらしさだ。2023年モデルを対象に、2026年春からソフトウェアを含むアップグレードプログラムを提供予定で、最大トルクは30Nm増しの400Nmに強化される。さらに駆動制御“GR-FOUR”も刷新され、従来の前後輪の駆動力配分が前30：後70の“REAR”モードが前50：後50の“GRAVEL”に置き換わり、TRACKモードは前後の駆動力を前50：後50から前60～30：後40～70の可変で制御可能となる。これにより、舗装路からグラベル、さらにはサーキットまで幅広く対応でき、既存オーナーも新型に匹敵する走行体験を得られる見込みだ。アップグレードの詳細や価格は後日案内予定だが、この取り組みによって「買った瞬間から古くなるクルマではなく、共に進化し続けるクルマ」であることが強調されている。
※1 ニュルブルクリンクは、ドイツ・ラインラント＝プファルツ州にあるサーキット。1周約25km、コース内の高低差は300mにおよび、世界一過酷なサーキットと評されています。
※2 JBLプレミアムサウンドシステムはディスプレイオーディオ（コネクティッドナビ対応）Plusとセット装着。“JBL”はHarman International Industries, Inc.の商標です。
