減衰力伸縮別調整で、自在なセッティング

商用車ゆえに乗り心地がイマイチなのも否めないハイエース。積載性を最優先した堅牢な足まわりは特異な重量バランスもあってか、リアが落ち着かずに跳ねる。後席に座っての高速移動はかなりの我慢を強いられる。そんなハイエースをまるで乗用車のようなフラットで安定した乗り味に変貌させてくれると評判なのが『KW(カーヴェー) V3レベリング』。10万円代の車高調も珍しくない昨今、スプリングレスで30万円超えのハイエンドモデルが受けいれられる理由はなにか? 

その秘密は独自の内部構造にある。高精度で製造されたツインチューブ式ダンパーは、伸び側と縮み側の減衰力を独立して発生させる2WAYタイプ。役割分担が明確になっているため狙ったセッティングを出しやすいのだ。

低速域から減衰力を立ち上げ、高速域でカットする独自のツインバルブも注目すべきポイント。路面の継ぎ目などを超えて大きな入力があった際もダンパーがしっかりと機能する。路面への追従性が高く、不快な突き上げ感が少ないのもKWサスペンションの魅力だ。

KW V3 Levelimg(ケーダブリュー・ブイスリーレベリング)
DATA
■ 対応:200系ハイエース
■ 価格:34万2100円
■ 2way減衰力調整式:伸16段階/縮12段階
試乗車は200系ナローのダークプライム。決して安い買い物ではないが、高速道路での安定性や上質なその乗り心地に惚れ込んで選ぶユーザーも決して少なくはない。ワンランク上の上質な走りを求めているひとにとって最適解といえるだろう。
マイルドなのにしっかりと粘る印象。接地感が非常に高く荒れた路面でもタイヤがバタ付かないので快適だった。
KW AUTOMOTIVE JAPAN 天野 恭兵さん「ハイエース用としては後発となるため、性能も突出しているモデルを目指そうと、ハイエンドモデルであるV3のノウハウを惜しみなく注入しました」と天野さん。

快適な乗り味のヒミツは独自のバルブシステム

ニュル24時間でも圧倒的なシェアを獲得するKW。そのノウハウを注ぎ込んだV3レベリングは、縮み側と伸び側の減衰力を独立して発生させる。さらにピストンスピードが速い時はバイパス経路を開放して減衰力を最適化するなどし、不快な突き上げ感を抑制する。

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STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2025年10月号 No.358より