軽量ボディに420馬力は超強烈!

USモデルの240Zをベースに現代的アプローチで製作!

L型エンジン全盛期の1981年、OS技研が製品化した伝説のツインカムヘッド「TC24-B1」。このヘッドは、S20エンジンを超える高効率なツインカムを目指し、OS技研の創業者・岡崎氏によって開発された。しかし当時は大々的な商業化には至らず、わずか9基のみの生産にとどまった。

それから時を経て平成中期、旧車ブームの盛り上がりとともにOS技研のスタッフがリバイバルを発案。各部にアップデートやブラッシュアップを加え、2015年に「TC24-B1Z」として復刻。現在でもバックオーダーを多数抱える人気モデルとして再び脚光を浴びている。

今回紹介するS30Zは、その名機を搭載した1台。海外からのオーダーで製作された車両で、US仕様の240Zをベースにボディをドバイで製作。現行のTC24-B1Zを搭載し、モーテックM130で制御している。エンジンは排気量を3.2Lまで拡大し、JDM L型チューニングの最高峰を目指して仕上げられている。

さらにトラブルの多いデスビを廃してダイレクトイグニッション化。OS技研の6連スロットルとインジェクションを組み合わせるなど、現代的なアプローチが随所に取り入れられている。

また、PDM(パワーディストリビューションモジュール)を採用することで、配線やリレーもリフレッシュ。電装系の安定動作にも配慮がなされている。

足元には17インチのパナスポーツにアドバンネオバAD09を装着。ブレーキはフロントにエンドレスの4ポット、リヤにはウィルウッド製のサイドブレーキ付きユニットを組み合わせる。

アーム類は調整式に変更されているが、調整可能箇所が増えたことから、アライメントの最適化に苦労したという。この問題をクリアすることがこの車両の製作における最大の課題だったと語るのは、マシン製作者であるエージェントの川手さん。

インテリアはベージュカラーの純正シートを残しつつ、センターコンソールにモーテックC125ディスプレイをインストール。ステアリングには電動パワステを組み合わせ、普段乗りの快適性も高められている。

このチューンドを峠で試乗したレーシングドライバーの飯田章選手は、こう評価した。

「エンジンのパンチがすごいから、パワーを楽しむチューニングカーとしては本当に面白い。トルクもあって登り区間でもまったく息切れしないし、高回転までしっかりパワーが繋がって刺激的なのは間違いない。ただ、17インチの選択は見た目はカッコいいけれど、走りのフィールに腰高感が出てしまっているかな。エンジンの出力はもちろん素晴らしいけど、補強や車高、タイヤのグリップなどを含めて、旧車をバランスよくチューンする難しさを感じる。スタイリングとハンドリング性能、その狭間で選択を迫られる場面が多いと思うんだ」。

現代の技術を取り入れつつも、L型の魅力と個性を最大限に引き出したこのS30Zは、まさに“ネオクラチューン”の理想形と言えるだろう。走りと美しさの両立を目指すオーナーにとって、大いに参考となる存在だ。

⚫︎取材協力:エージェントオートモーティブ 長野県茅野市ちの横内3108-1 TEL:0266-78-9280

「快適×高性能」日常に溶け込むRB30改3.1L仕様のS31Zが魅力的すぎる!

往年のZに現代の知恵を注ぎ込み、快適性と獰猛な走りを両立させた一台がここにある。RB30ブロックにRB26ヘッドを組み合わせ、3.1L NAへと進化を遂げたハートは圧倒的な存在感を放ち、足回りやブレーキ、そしてパワステやエアコンまでもが最新仕様にアップデート。クラシカルな佇まいに潜むのは、日常に馴染みながらも牙を隠したスーパーストリート仕様のサンマルZだ。

【関連リンク】
エージェントオートモーティブ
https://www.agent-automotive.co.jp