コマツとEARTHBRAINは、顧客のソリューションパートナーとして、建設現場の無人化施工の実現を目指し、建設機械の自動化・遠隔操作化の技術開発に取り組んでいる。その中で、自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware※」の開発を主導するティアフォーのオンロード車両の自動運転技術の実績に着目し、今回の協業に至った。

本協業では、ティアフォーの自動運転技術、コマツの建設機械の車両技術、そしてEARTHBRAINのデジタル技術を活用した建設現場の施工管理という3社の強みを融合し、建設機械向けの自動運転システムと管制システムを開発することで、自動運転技術の実用化が目指される。ティアフォーは、コマツと自動運転システムを開発し、現場オペレーションとの連携や実装を担う。EARTHBRAINは管制システムの開発を担当する。この協業で実現が目指される顧客価値は以下のとおり。

  1. 土木・採石現場で稼働するダンプトラックの自動運転化により省人化が図られ、建設現場の労働力不足の解消に貢献する。
  2. 管制システムと自動運転車両の連携により、状況に応じた最適ルートの選定・走行が可能となり、安定した自動運転制御と相まって運搬作業効率の飛躍的な向上が図られる。
  3. 上記により、燃料消費も最適化されるため、環境負荷を低減するとともに、無人稼働により安全性も向上し、労働環境の改善にも貢献する。
自動運転試験中のアーティキュレートダンプトラック(HM400)の走行の様子

自動運転化の対象とする機種は、まずアーティキュレートダンプトラック「HM400」(最大積載質量40トン)およびリジッドダンプトラック「HD785」(最大積載質量93.9トン)から取り組みを開始し、その他の機種への展開を視野に入れ、技術開発が進められる。本ソリューションは、製鉄やプラントなどのさまざまな現場への導入はもちろん、将来的には海外現場への市場展開も見据えられている。