電動化時代にあってもV8は忘れない

8気筒エンジンは、一般的ではなかったものの、10年前ほど前まで存在し、決して忘れ去られた存在ではない。
最も忠実な支持者の一つがメルセデスAMGであり、2015年には4.0リットルV8ツインターボ「M177」エンジンを積んだAMG「C63」を発表した。
現行のC 63 Sは、V8エンジンをハイブリッド4気筒エンジンに置き換えたことで物議を醸したが、すでに新型8気筒エンジンの開発が進められている。

AMGは、新型V8エンジンの発売時期や、搭載モデルについては口を閉ざしているものの、出力向上と排出ガス削減の両立は可能だと明言している。
エンジンのダウンサイジングが業界の標準となり、フェラーリをはじめとする自動車メーカーがV8からV6へと移行している昨今、同ブランドが8気筒エンジンへのこだわりを貫いていることは、カーマニアの視点から見ても称賛に値すると言っていいだろう。
AMGの車両開発責任者であるステッフェン・ヤストロウ氏は、Auto Express誌のインタビューで、次世代V8エンジンのレスポンス向上に取り組んでいると述べており、最も重要な変更点は、フラットプレーン・クランクシャフトの採用のようだ。
これにより、次世代AMG V8エンジンは現行モデルよりも高回転域まで回転数を上げられるようになり、よりスリリングな走りを実現できると言う。
確かに、フラットプレーンクランクの採用はサウンドトラックを劇的に変化させる。
同じインタビューで、AMGの最高経営責任者(CEO)であるマイケル・シーベ氏は、「V8エンジンへの需要が継続的にあるのであれば、規制内で生産することが私たちのエンジニアリング目標になるはずです」と語っている。
また、同氏はさらに、AMGチームが「パワーレンジを定義しており、その上限はAMGが採用している既存の8気筒エンジンと比較して、当然ながら現在私たちが知っているものよりも高い」と付け加え、「ドライブペダルのレスポンスなど、内燃機関の特性を改善できる点もあります」と締めくくっている。
前述の通り、次世代V8エンジン搭載モデルを明かしていないが、どのモデルよりも搭載が望まれているのは「C63」であることは間違いないだろう。







