操縦性に優れ腰高感も最小限 リーズナブルな価格も強み

ホンダがタイで開発し、インドで生産するコンパクトクロスオーバーSUVがWR-V。ヴェゼルとは全長、全幅がほほ同じ。しかし全高は60㎜高く、ホイールベースは40㎜長い。

エクステリア

厚みのある顔つきとロングノーズが印象的で、サイズを超えた堂々たる雰囲気を醸し出している。リヤビューは、高い位置に配された水平基調のテールランプやシルバーのロアガーニッシュが目を惹く。最小回転半径は5.2m。

しかし全高は60㎜高く、ホイールベースは40㎜長い。外観はよりワイルドさを強めたデザイン。また、ヴェゼルとは違い、1.5ℓのガソリン車、FFのみの設定。とはいえ最低地上高は本格SUV並みの195㎜を誇る。グレードは「X」「Z」最上級の「Z+」が揃うが、驚くべきは価格設定。「X」の場合、装備は簡素だが200万円ちょっとからのリーズナブルさ(「X」の発売は2025年夏頃)。

インストルメントパネル

水平基調のインパネはシンプルなデザインで質感はそれなりだが、センタークラスターに集中配置したスイッチ類の操作性、大径2眼メーターの視認性に優れる。フルオートエアコンを標準化し、8~9インチナビをオプション設定。

クラス最大級のホイールベースを活かしたパッケージングは見事。前席のゆとりはもちろん、後席でも身長172㎝の筆者のドラポジ基準で頭上に160㎜、膝まわりになんと240㎜! ものスペースが確保される。後席にエアコン吹き出し口が完備されるのは、同じインド生産のスズキ・フロンクスと異なる美点。さらに荷室の広さも自慢。フロアの上部だけで容量は458ℓもある。

居住性

1.5ℓ自然吸気による走りは(ECON不採用)ホンダ4気筒としてはザラつき感があるもので、加速性能もごくフツー。車内の静かさについても特筆点はない。一方、操縦性はさすがホンダ車で、パワステの座りが良く、想定外にキビキビと走り、硬めの足まわりによる乗り心地もフラットで安定感たっぷり。

うれしい装備

センタータンクレイアウトではないが、前席下の床面が少し高くなっていて座り心地は良い。「Z」系にはリヤアームレストが標準装備される。
月間販売台数   3305台 (24年9月~25年2月平均値)
現行型発表    23年12月 (一部改良 25年3月)
WLTCモード燃費  16.2㎞/ℓ ※「Z」

ラゲッジルーム

カーブでの姿勢変化が少なくまずまず快適で腰高感も最小限。ただし電子パーキングブレーキ不採用でACCの機能が制限されるのは残念な部分だ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.167「2025-2026年 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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