モンスタースポーツが放った伝説的コンプリート!

ランエボ9MRの究極進化系

ここで紹介するのは、モンスタースポーツジャパンがかつて期間限定で販売したランエボ9MRベースのコンプリートカー“365-SPEC”だ。

現在では超レアなチューンドコンプリートとなっているが、核となるパワーユニットは、同社からほぼ同スペックの「4G63スポーツエンジンパッケージ2.0L」が現在も販売されている。

このエンジンは、85.5φ鍛造ピストンの投入を軸に、モンスタースポーツがレース用エンジンに匹敵する精度で組み上げた365ps仕様のチューニングユニットだ。

コンプリートカーでは、そこに吸排気系にもモンスター製パーツをフルに組みこんでブラッシュアップ。その他、カーボンインテークダクトやカーボンプラグカバー、チタンEXマニプレートなど、機能性だけでなくルックス面での効果も期待できるパーツが奢られている。また、燃料系はノーマルだが、電圧ドロップによる吐出量の低下を防ぐため燃料ポンプのハーネスは強化タイプに交換される。

排気系はモンスターの70φステンレスフロントパイプに、80φメインパイプを持ったストレート構造のチタニウムマフラー808Ti2が組み合わされる。エンジンベンチ、シャシダイ、実走テストを繰り返して完成させたモデルだ。

サスペンションは、オーリンズFLAG-Lをベースに独自の減衰力セッティングを施したモンスターオリジナルを装着。AYCの制御に合わせてストロークさせる方向でセッティングを煮つめた逸品だ。

ホイールはボルクレーシングCE28N(18×8.5J)で、タイヤにはポテンザRE-01R(245/40-18)を装着。

エクステリアはエアロダイナミクスバンパー、カーボンエアロボンネット、リヤハイマウントスポイラーベース、カーボンガーニーフラップ、リヤエアスパッツで化粧直し。いずれもモンスターの製品だ。

そんな365-SPECに試乗。走りはじめてまず思ったのは、低中速トルクが厚くなっていてノーマル以上に扱いやすいということだ。元々4G63は低中速トルク型と言われているが、それが一層引き立てられた感じだ。

ブースト圧の立ち上がりも鋭く、2500rpmで早くも正圧域に入る。そこからの加速感は力強く、想像以上のパワーの盛り上がりを感じながら7000rpmまでイッキに回り切る。トップエンドでもパワーの落ち込みがなく、まだ伸びようとするフィーリングが最高に気持ち良い。もちろん、速さだって申し分なしだ。

同時に「基本的には純正パーツしか使ってないはずなのに、この激変ぶりは一体なに?」と思い知らされた。低フリクション化と各部精度を極限まで突き詰めることで実現したパワー&フィーリングは、まさに“モンスターマジック”。いずれにしても365-SPECが、4G63の底力をまざまざと見せつけてくれた1台であることだけは間違いない。

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●問い合わせ:モンスタースポーツ TEL:0538-66-0020

「ランエボの血を引く7人乗りミニバン」シャリオ・リゾートランナーGTを深夜の湾岸で試す!

スキーエクスプレスの名を冠して登場した三菱の異端児。その正体は、230psを誇る直4ターボとフルタイム4WDで武装した、7人乗りの快速ミニバンだった。90年代、三菱が“何にでも”4G63を積み込んでいた狂気の時代にだけ許された、唯一無二の存在だ。