アマチュアでも好タイムが出せる!
ノウハウを凝縮したアシで走りの楽しさを底上げ
最高速アタックやスーパーラップ、D1GPといった舞台で名を馳せた「JUNオートメカニック」で修業を積み、約10年前に独立して『garage YAMAGO』を立ち上げた代表・山郷氏。
ECUチューンからエンジン製作、足まわりのセットアップまで幅広く対応するスペシャリストだ。そんな彼が持ち込んだGR86デモカーは、徹底的に吟味したパーツで仕上げたこだわりのNAチューン仕様。時間を見つけてはサーキットに持ち込み、じっくりと煮詰めてきたという。



ブリッツのカーボンインテークやパワークラフトのフルエキゾーストで吸排気効率を高めたエンジンは、ECU-TEKでECUデータを最適化。スポーツ触媒の導入にあわせてパワーフューエルマップを調整したり、反応がよすぎて逆に扱いにくいと感じがちなスロットルマップを変更するなど、緻密な現車合わせを実施。低回転域からトルクフルに立ち上がる特性に仕上げた。HPIのサイドタンク式オイルクーラーを導入するなど、サーキットでの連続周回にも対応している。
駆動系も抜かりなく、クラッチは軽量なATSカーボンシングルをチョイス。機械式LSDはATS製のカーボン1.5WAYを組み込み、ファイナルは5.1に変更。加速方向のギア比とすることでNAゆえに限られたパワーを活かし切る。

サスペンションは、スピリット製別タンク式をベースにしたオリジナル車高調を装着。新型ピストンの採用で軽快な動きを実現し、縁石に乗り上げても跳ねずにしなやかに収まるセッティングを追求。フロント10kg/mm、リア12kg/mmのスプリングを組み合わせる。さらに他車種用のリヤナックルを流用することで、フェンダー加工なしに265サイズのタイヤを収めることに成功しているのも見逃せないポイントだ。

ちなみに、車高調には別タンク無しバージョンもラインナップされており、減衰力特性やスプリングレートといった細部までオーダーメイドが可能。さらにバンプラバーやパッカーを活用することで、もう一段踏み込んだセッティングにも対応する。

制動系も抜かりなく、ウインマックスの前後キャリパーキットを採用。ブレーキバランスを整えつつ、サーキット走行に耐える制動力を確保した。足まわりと合わせ、シャープでキビキビとしたハンドリングを実現している。

タイヤは265/35サイズのシバタイヤR31 R200を前後に収める。

エクステリアはJUNのフルエアロに加え、カーボンリップ一体型のアンダーパネル、近藤エンジニアリング製エアロボンネット、プロコンポジット製GTウイングを装着。走行性能に直結するパーツで固められている。

ミッションのギヤ鳴きやシフトの入りが渋いというオーナーには、モティーズのギヤオイルとギヤオイル添加剤、マグネット付きドレンボルトを同梱したガレージヤマゴウ独自の『ハッピーセット2』(2万8000円/工賃込み)がお勧め。こちらは、シンクロ摩耗によるギヤ鳴きを低減しつつシフトフィールまで改善すると、ユーザーから好評を得ているそうだ。

優れた熱交換性能を実現するケミテックPG55 RCと同性能ながら、OAT添加剤配合によりロングライフ化を実現したハイエンドクーラント「PG-GY」も用意。価格は8360円(4.0L)だ。

実際に試乗した青木孝行選手はこう語る。
「エンジンの吹け上がりが軽く、上までフラットに力強く回る。コーナーの立ち上がりでもモタつかずにスッと前に出ていくね。ハンドリングもシャープで、LSDとの相性も良好。トラクション性能も純正比で大きく改善されていると感じたよ」。
厳選したパーツと入念なセットアップによって仕上げられたガレージヤマゴウのGR86。速さと快適性、その両立を求めた1台は、NAチューンの可能性を改めて示している。
●問い合わせ:ガレージヤマゴウ 埼玉県入間市下藤沢926-8 TEL:04-2937-3674
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